目一杯の資金を駆使して株式投資をしていると
「SBI証券のIPOの資金はいつまでに入金が必要なの?」
「資金は集中させたほうがいい?目安をしりたい」
「IPOの資金が拘束されるタイミングや期間を知りたい」
「資金が不足しているとどうなる?」
と気になりませんか?
特にIPO投資では申し込むだけならいいのですが、証券会社によっては申し込み時に購入資金が必要なのがネックです。
しかもSBI証券では口数比例抽選のため購入する株数が多い、つまり資金力が高いほど当選確率が上がります。
この記事では
- SBI証券においてIPO投資に必要な資金の入金タイミング
- 拘束期間
- 資金の目安
- 当選確率を上げる方法
- 資金が不足していたときの扱い
について解説していきます。
知らないと無意味なIPO申し込みを続けることになりかねません。
必ず資金の必要なタイミングや拘束期間、抽選のルールを理解しておきましょう。
SBI証券でIPOを申し込むなら 資金は抽選日までに入金すること!
IPOに申し込む際、注意するポイントとして「資金がなくても抽選に参加できるか」ということがあります。
IPOを取扱う証券会社の中には、口座に資金がないと抽選に参加できない会社もあります。
「口座に1円でも資金があればいいんでしょ?」と考える人もいるかもしれません。
ですが、IPOに参加するうえで口座残高が1円ではNGです。
なぜなら、自分が申込むIPOの公募価格×購入株数分の資金が必要になるからです。
そのため、1,000円の公募価格のIPO株に100株の申し込みをする場合は1,000円×100株=10万円必要になります。
この場合は最低でも10万円がIPOを申し込む証券会社の口座に残っていないと抽選に申し込めないのです。
そのため、1つのIPOにつき主幹事会社と幹事会社の全部から申し込むと、相当な額が必要になってしまいます。
例えば、主幹事と幹事合わせて10社のIPOについて考えてみましょう。
その場合、先ほどの例だと、IPOの申し込みに際し最低でも10万円が必要でした。
この場合、10社から申し込むとなると10万円×10社で100万円が必要になります。
資金量が豊富な人はそれでも気にならないかもしれません。
ですが、大抵の場合は限られた資金の中でIPOに申し込むのではないでしょうか。
そうなると、限られた資金を有効活用しながらIPOに申し込む必要が出てきます。
そんな時に役立つのが、ネット証券最大手のSBI証券です。
SBI証券はIPOに申し込む際、口座残高が仮に0円であっても申し込みは可能です。
ただし、発行(売出)価格…つまり、公募価格が決定する日までに購入資金を入金しておく必要があります。
そうしなかった場合は、抽選対象外となってしまうのです。
それでは次に、SBI証券におけるIPOの申し込みと抽選までの流れを説明します。
SBI証券ではどのタイミングで資金の過不足を確認しているのか、きちんと把握しましょう。
SBI証券でのIPO投資の流れと資金の関係
SBI証券でIPOの購入資金が必要になるタイミングと、IPOに関する一連のスケジュールを下記の表にまとめました。
イベント | 資金の必要性 | 必要な資金の目安 |
---|---|---|
ブックビルの申込(IPOの申込み) | 必要なし | − |
抽選日時 | 必要 | 公募価格×購入株数 |
当選・補欠当選した場合 | 必要。買付余力を拘束 | 発行価格×当選株数 |
辞退 | 買付余力の拘束を開放 | -(IPOチャレンジポイントは消失) |
落選 | 買付余力の拘束なし | - |
すでに説明したとおり、SBI証券ではIPO株の購入資金がなくても、抽選に参加することはできます。
ですが、SBI証券では抽選が行われる直前に証券口座に購入資金が入金されているか確認します。
例えば申し込んだIPOの購入資金が100万円であれば、抽選直前までにそれ以上の口座残高がないといけません。
なお、SBI証券では、株などの商品をどれくらい買えそうか、ということを「買付余力」で確認します。
この買付余力の金額がIPOの購入資金より少なければ、抽選対象外となってしまいます。
買付余力がIPOの購入資金と同じかそれ以上の金額であれば、そのまま抽選に参加することになります。
抽選後、落選した場合は、購入資金の拘束は当然ながらありません。
反対に当選した場合と補欠当選した場合は、購入資金が拘束されます。
当選または補欠当選した場合は「購入意思表示」を行わなくてはなりません。
購入の意思表示を行った場合は、買付余力の中から購入資金分の拘束が続きます。
ここで購入を辞退すれば、当選の場合も補欠当選の場合も購入資金の拘束はすぐに解除されます。
また、購入の意思表示を行わず放置していた場合も同様です。
この場合、当選も補欠当選も意思表示期間の終了時に購入資金の拘束が解かれます。
なお、補欠当選の場合は購入の意思表示を行っても繰り上げ当選しないこともあります。
その場合は、意思表示期間の終了時に抽選結果で落選が表示され、購入資金の拘束が解除されます。
なお、この時、繰上当選すると抽選結果に当選株数と共に「補欠当選」と表示されます。
参考:ブックビルディングのために入金した資金は、いつから別の取引または出金...
SBI証券でIPOの購入資金が必要になるタイミングや拘束されるタイミングについては以上で述べたとおりです。
次に知っておく必要があるのが、購入資金です。
購入資金は公募価格×購入株数で計算しますが、公募価格が決まらないとはっきりとした金額が分かりません。
ですが、必要となる資金の目安はできるだけ早く知っておきたいもの。
そのためにはどうすれば良いのでしょうか?
IPOを申し込む場合の資金の目安はどれくらい?
資金が限られている場合、IPOに必要な資金のやりくりを早いうちに考えておきたいものです。
公募価格が決まる前から資金の準備を進めたいのなら、仮条件を確認しましょう。
仮条件とは、ブックビルディングでIPO株に申し込む際、申し込める価格の範囲のことです。
例えば、2019年9月20日に上場したギフティ(4449)という会社の場合、仮条件は1,300円~1,500円でした。
仮条件は上場承認後2週間ほどで公表されており、ブックビルディング開始の前日に決まることが多いです。
公募価格はブックビルディングの後に決まります。
そのため、仮条件が出た段階で、仮条件の上限価格を目安に資金を用意するのです。
なぜなら、申告した価格が公募価格を下回ると抽選対象外となってしまうからです。
先ほどのギフティの例でいえば、実際の公募価格は1,500円だったのですが、もしもブックビルディングの際に1,300円~1500円未満の価格で申告していた場合は、抽選対象外となりIPO株は買えません。
なぜなら、自分が買いたいと申告した価格よりも上の価格で公募価格が決定してしまったからです。
そのため、例えば1,490円で100株と申告していた場合は、公募価格が決定した段階で抽選対象外となり、その先には進めなくなります。
こうならないために、ブックビルディングでは必ず仮条件の上限価格で申告しましょう。
従って、先ほどのギフティの例でいえば、1,500円を基に必要となる資金を計算します。
そこで100株買うのであれば、1,500円×100株で15万円を用意しなければなりません。
なお、ブックビルディングの際の申告方法については「ブックビルディングとは?意味や有利に参加するテクニックを分かりやすく解説」でさらに詳しい内容を解説していますので、より理解を深めるためにも読むことをおすすめします。
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コラム
レアケースではありますが、仮条件が決定した後にその内容が変更となることもあります。
例えば、LINE(3938)は仮条件を当初の2,700円~3,200円から2,900円~3,300円に変更しています。
また、2019年8月上場のステムリム(4599)は、当初の仮条件の2,370円~3,730円から1,000円~1,700円に変更しています。
このような変更がごく稀にあるので、仮条件に変更がないかどうか定期的にチェックしましょう。
さて、話を戻すと、先ほど挙げたギフティの例でいえば、15万円が申し込みに際し必要な額となります。
しかし、非常に稀とはいえ、仮条件の変更の可能性も考慮すれば、15万円以上を用意しておきたいところです。
どの程度余裕を持たせておくか、というのは懐事情にもよるので「これだ」ということは言えません。
ですが、購入資金が15万円なら20万円など、少し多めに資金を用意すれば、安心してIPOに参加できるでしょう。
ここまで、SBI証券におけるIPOの必要資金の目安について説明しました。
それでは次に、SBI証券で行われるIPO抽選の特徴について解説します。
SBI証券でIPOは資金が多いほど有利になる
IPOを取扱う会社の中には資金量に当選確率が左右されない完全平等抽選を行うところもあります。
このような会社は「一人一票制」を採っており、口座残高が多かろうと少なかろうと当選確率は一緒です。
SBI証券は、IPO抽選で一人一票制は採用しておらず、「口数比例抽選」を採用しています。
口数比例抽選とは購入する株数が多いほど、当選確率が上がる抽選方式です。
そのため、IPOに100株申し込むよりは、200株申し込んだ方が当選確率は上がることになります。
SBI証券のIPO抽選は、懸賞の抽選と同じと考えればイメージしやすいでしょう。
懸賞に応募する場合、応募はがきを1通出すよりも10通出した方が当選確率は上がります。
SBI証券の抽選方式はこれと同じです。
資金力が多いほど申し込み数も多いことになり、当選確率を上げることができるのです。
資金が少ない人にもチャンス!?SBI証券のIPOチャレンジポイント
SBI証券は口数比例抽選が採用されていると聞き、「資金が少ないから当たらない」と考える人もいるでしょう。
確かに資金量の多い方が有利なのですが、資金量による当選確率の差をカバーする方法も用意しているのです。
それこそが、「IPOチャレンジポイント」です。
口数比例抽選で外れた場合は、「IPOチャレンジポイント」が多い順に当選します。
「IPOチャレンジポイント」は、IPOの抽選に外れた回数に応じ、ポイントが1ポイントずつ加算されます。
貯まったポイントは次回以降のIPOに使用でき、ポイントの数に応じて当選確率も上がっていきます。
資金量による当選確率の差を縮めるためのユニークな制度が「IPOチャレンジポイント」なのです。
「IPOチャレンジポイント」を貯めたいなら、SBI証券のIPOには資金の許す範囲でできるだけ参加するようにしましょう。
それでは次に、SBI証券のIPO購入資金の入金について説明します。
SBI証券でのIPO申し込み時点では資金が足りなくても可能
すでに書いたとおり、SBI証券は、IPO株の購入資金が足りなくてもIPOの申し込みができます。
購入資金が必要になるのは抽選日です。
抽選を行う直前に証券口座に購入資金が入金されているか確認します。
そのため、購入資金が足りない場合は、抽選日がいつなのかをきちんと確認しておきましょう。
残高不足のまま抽選直前の入金チェックを迎えると、抽選対象外となってしまいます。
なお、SBIの証券口座に購入資金を入金する期限は、18時までです。
SBI証券ではIPO抽選を18時以降に行います。
そのため、残高不足の場合は18時までに購入資金を入金しておきましょう。
このように、SBI証券では、購入資金を入金することで、IPO抽選に確実に参加できるようになります。
しかも、購入資金を入金することによるメリットは他にもあります。
次にこのことについて解説します。
SBI証券では同じ資金で複数のIPOが申し込める
SBI証券では、同じ資金を使って他のIPOに申し込むことができます。
というのも、IPOで購入資金が拘束されるのは、当選または補欠当選した場合のみだからです。
落選した場合にはすぐに購入資金の拘束が解除され、他のIPOに使用することができます。
それでは、SBI証券ではIPOの購入資金が抽選でどのように判断されるのか、例を挙げます。
例)SBI証券で同じ日に3つのIPOが行われ、すべてに申し込みをした場合
銘柄1:購入資金50万円、銘柄2:購入資金30万円、銘柄3:購入資金10万円
- 買付余力が50万円の場合
銘柄1に当選。
これにより買付余力は0となり、銘柄2、銘柄3は抽選対象外となる。 - 買付余力が60万円の場合
銘柄1に当選。
これにより、買付余力が10万円に減って30万円未満になるため、銘柄2は抽選対象外。
一方、銘柄3は抽選対象になる。 - 買付余力が80万円の場合
銘柄1に当選。
銘柄2も銘柄3も抽選対象となる。
また、SBI証券では、買付余力の範囲内での同一資金申込もできます。
こちらについても例を見てみましょう。
例)SBI証券で近い日程で3つのIPOが行われ、すべてに申し込みをした場合
銘柄1…1株5,000円、銘柄2…1株2,500円。銘柄3…1株1,000円、
※買付余力は100万円
- 銘柄1…200株(100万円分) 2/10が抽選日
- 銘柄2…400株(100万円分) 2/11が抽選日
- 銘柄3…1,000株(100万円分) 2/12が抽選日
にそれぞれ申し込んだ。
銘柄1が100株当選した場合、買付余力は50万円に減ります。
その場合、SBI証券では
- 銘柄2…200株(50万円分)
- 銘柄3…500株(50万円分)
に申し込み株数を修正してくれます。
ただし、買付余力が公募価格×100株より少ない場合は抽選対象外になってしまいます。
そのため、上の例の場合、買付余力が10万円だと銘柄2は2,500円×100株=25万円>10万円で抽選対象外です。
銘柄3については、1,000円×100=10万円で100株分だけ抽選に参加することができます。
このように、SBI証券では同一の資金で買付余力の範囲内での申し込みが可能です。
1つのIPOにつき、資金を別々に用意しなければならないと、かなりの金額が必要になってしまいます。
資金が限られている人にとっては、IPOをさらに絞らなければならず、参加機会が失われてしまいます。
SBI証券ではそれがないことが、大きなメリットです。
さて、抽選に間に合わせるには、いつまでに入金しなければいけないか、ということを次に説明します。
資金の入金はいつまで?不足しているとどうなる?
すでに書いたとおり、IPO購入資金の入金は、抽選日の18時までに行う必要があります。
SBI証券では、「抽選日の18時以降に抽選を行う」としているため、これよりも前に入金を済ませ、買付余力に反映された状態にしなければなりません。
買付余力のチェックは抽選の直前に行われるのですが、この時に不足していると抽選対象外になってしまいます。
そうならないためにも、購入資金を抽選日当日の18時以前に必ず入金して、買付余力に反映させておきましょう。
同日に入金すれば間に合うの?
SBI証券では、買付余力が不足している場合は抽選日当日18時以前に入金する必要があります。
そう聞くと、「それなら、抽選日当日の15時までに銀行振込すればOKだよね」と思う人もいるかもしれません。
実は、これはOKのケースとNGのケースがあります。
どういうことかというと、SBI証券では銀行振込による入金は、振込手続き完了後、1~2時間ほどで買付余力に反映されます。
ですので、抽選日当日の15時までに銀行振込を行えば、抽選直前の資金チェックには間に合います。
ただし、ゆうちょ銀行は例外です。
ゆうちょ銀行口座からの振込の場合、買付余力への反映は全て翌日になり、抽選には間に合いません。
買付余力への反映を18時までに間に合わせたいのであれば、銀行振込の場合、当日は避けた方が賢明です。
一応、ゆうちょ銀行以外の銀行からであれば当日15時までに振込手続きを済ませれば間に合います。
ですが、振込に当たり何かトラブルがあった場合、抽選に間に合わないことが考えられます。
筆者が証券会社に勤めていた頃に非常に多かった入金トラブルが、名義違いです。
中でも多いのが、家族名義の口座から振り込む際に、振込人を自分の名前に変更せず、家族名義のまま自分名義の証券口座に振り込んでしまうケースです。
家族名義の口座から自分名義の口座への振込は名義人違いで入金は口座に反映されません。
本人確認の意味もあり、名義の異なる口座からの入金を証券会社は受け付けることはできないのです。
そのため、この場合は組み戻しという手続きを自分が振込に利用した銀行で行ってもらう必要があります。
手続きは当然自分自身で行わなければならず、口座にお金が戻るのに1週間ほどかかります。
抽選日当日に振込を行うのでは、このようなトラブルが起きた時に買付余力への反映が間に合いません。
そうならないためにも、できるだけ余裕を持って入金を行いましょう。
また、時間を気にせずスピード重視で入金したいのであれば、即時入金サービスを利用しましょう。
提携先金融機関でインターネットバンキングの契約をしていることが条件ですが、すぐに入金が反映されます。
即時入金サービスであれば、抽選時間ギリギリでも間に合うかもしれません。
それでも、何かトラブルがあった時のことを考えると、余裕を持って入金した方が賢明です。
このように、SBI証券では抽選日当日の入金が間に合うケースとそうでないケースがあります。
必ず抽選に間に合わせたいのなら、抽選日ギリギリに入金するのはやめた方が良いでしょう。
それでは次に補欠当選した場合について説明します。
SBI証券では、通常の当選以外に補欠当選による当選もあります。
この場合、どうすれば良いのでしょうか?
気を付けたい!補欠当選した場合も資金拘束される
SBI証券では、補欠当選があります。
例えば、あるIPOに1000株申し込んだとします。この時、600株が当選し、400株が補欠当選する、ということがあるのです。
この場合、補欠当選分に関しても、通常の当選同様に購入の意思表示を行わなければ、IPO株は買えません。
ただ、通常の当選と大きく違うのは、補欠当選は、購入の意思表示をしても買えるとは限らないことです。
補欠当選の場合、購入の意思表示を行っても繰り上げ当選しないことがあるからです。
なお、補欠当選した場合も、基本的には通常の当選と同じで、購入資金が拘束されます。
また、購入の意思表示を行った場合は、買付余力の中から購入資金分の拘束が続きます。
ここで購入を辞退すれば、補欠当選の場合も購入資金の拘束はすぐに解除されます。
なお、購入の意思表示を行わず放置していた場合、意思表示期間の終了時に購入資金の拘束が解かれます。
すでに書いたとおり、補欠当選は、購入の意思表示を行っても繰り上げ当選しないことがあります。
その場合は、意思表示期間の終了時に抽選結果で落選が表示され、購入資金の拘束が解除されます。
ちなみに、この時に繰上当選すると、抽選結果に当選株数と共に「補欠当選」と表示されます。
このように、SBI証券では補欠当選があります。
補欠はあくまで補欠なので、必ず当選するとは限りません。
SBI証券で当選確率を上げるにはどうすれば良いのでしょうか?
資金力で当選確率は上げられる
SBI証券では、資金力が大きければ大きいほど(口数が多いほど)、当選確率が上がります。
もしも株式投資で順調に資産を増やしているようであれば、IPOにかける資金も迷わずどんどん増やしましょう。
それに加え、IPOチャレンジポイントを併用するのです。
こうすることで、IPOに当選する確率が上がります。
ここまでSBI証券のIPOの購入資金の買付余力への反映や抽選ルールについて説明してきました。
次に、IPOで当選確率を上げるための戦略について考えたいと思います。
IPO抽選の確率を高めるための戦略
限られた資金内でIPOに申し込むには、戦略を立てることが大切です。
資金を最大限に有効活用しながらIPOの当選確率を上げるには、申し込みの数だけ増やしても意味はありません。
資金が必要となるタイミングや抽選日程など、証券会社各社の特徴を考えて戦略を考える必要があります。
その上で考えたいのが、IPOの申し込みをどのように行うのか、ということです。
IPOは主幹事と幹事からの申し込みをそれぞれ行いましょう、というのが基本スタイルです。
ですが、IPOに何度もチャレンジするうちに、面倒になる人もいます。
その結果、主幹事プラス幹事会社1、2社から申し込む形で落ち着く…ということもよくあります。
IPOの申込先を絞って口数を増やすのと、できるだけ広げるのとでは、果たしてどちらの方がIPO投資を行ううえで得策でしょうか?
IPO抽選に申し込むのをSBI証券だけにするのは得策?
結論からいうと、IPO抽選に申し込むなら、SBI証券だけに絞らない方が良いと言えます。
IPOは基本的には懸賞と同じです。
とにかく当選の可能性のあるところからどんどん申し込む必要があります。
SBI証券の場合、申し込み口数が多ければ多いほど当選確率は上がります。
ですが、SBI証券が幹事を務めるIPOの場合の配分株数は主幹事に比べて少なく、当選は狭き門になります。
主幹事であれば競争率は激しくとも、そもそもの配分株数が多いため、それだけでも当選確率が上がります。
さらに、知名度が低い委託幹事からもIPOを申し込めば、配布株数が少なくても当選確率は上がります。
なぜなら、知名度が低い分ライバルも少ないからです。
このように、IPOでは一点集中突破よりも分散させた方が賢明です。
特に資金が限られているのであれば、できるだけたくさんの窓口から申し込みを行うのが得策です。
そう考えると、相場の格言「タマゴは一つの籠に盛るな」はIPOにも当てはまると言えるでしょう。
もし、どうしてもSBI証券だけに申し込みを絞りたい場合は、同社が主幹事のIPOだけにした方が良いでしょう。
ただし、このケースは資金がかなり多い場合に限ります。
資金が限られているのなら、SBI証券だけに絞らず、他の幹事証券会社からも申し込んだ方が賢明です。
それではSBI証券でIPOに申し込む場合はどのような戦略を立てるのが良いでしょうか?
次にその一例を紹介します。
SBI証券とプラスαの証券会社で申し込むと資金繰りを工夫できる!
SBI証券でIPOの申し込みをする場合は、同社以外の証券会社からも申込を行いましょう。
SBI証券が主幹事の場合でも幹事の場合でも、必ず他の幹事証券会社からの申し込みをするのです。
もし、幹事会社の中に
- 岡三オンライン証券
- 松井証券
- ライブスター証券
- DMM.com証券
があれば、これらの証券会社からの申し込みは必ず行います。
なぜなら、上記の証券会社は前受金不要で抽選を行うからです。
購入資金は当選してから入金する形になりますので、資金効率を上げてIPOに申し込むことができます。
また、野村證券が主幹事のIPOであれば、野村證券からも必ず申し込みましょう。
同社も前受金は不要です。その上で、SBI証券で申し込みをします。
その際、IPOチャレンジポイントが貯まっていれば使用します。
資金的な余裕がまだあるのなら、残りの幹事証券会社全てに申し込みます。
ただし、余裕がそれほどない場合は、どの幹事証券会社から申し込むかよく考える必要があります。
この時に平等抽選の会社があれば、その会社の中からどこに申し込むか考える必要があります。
その中で競争率の低い穴場の証券会社(例えば岩井コスモ証券など)があれば、そこを第一候補にします。
それでも資金に余裕があるなら、他の平等抽選の会社からも申し込む会社を選びます。
このように工夫してIPOの抽選に参加しても、落選してしまったらどうすれば良いのでしょうか?
次に落選したときの投資について考えてみましょう。
SBI証券でIPOに落選したら?
SBI証券や他の証券会社からIPOに申し込んだものの落選してしまったら、どうすれば良いでしょうか?
SBI証券では、IPOに落選したら、購入資金の拘束が解除されます。
出し入れ自由となった資金をそのまま別のIPOに使うことももちろんできます。
ですが、実は同じIPOの抽選はまだ終わっていないかもしれません。
なぜなら、後期型の証券会社があるからです。
そこで、落選した場合、この資金を後期型IPOを行う会社に移動させることが必要になります。
次にこのことについて説明します。
後期型IPO申し込みを行う証券会社で再チャレンジ!
後期型IPOを行う証券会社には、
- GMOクリック証券
- カブドットコム証券(申込時に購入資金が必要)
- 楽天証券(申込時に購入資金が必要)
- 岩井コスモ証券
があります。
SBI証券やその他の証券会社で落選したら、上記4つの証券会社が幹事に入っているかどうか確認しましょう。
もし入っているのなら、これらの証券会社に資金を移してIPOに申し込みます。
なお、上記のうちカブドットコム証券と楽天証券は、ブックビルディング申込時に購入資金が必要になります。
ブックビルディングの申し込みが終わったら、すぐに資金を引き出してもOKです。
というのも、この2社はブックビルディングに申し込んでも購入資金は拘束されないのです。
そのため、少々面倒ですが、ブックビルディングの申し込みが終わったら出金しましょう。
そして、SBI証券など、抽選時に購入資金が必要かつ抽選日程の早い会社に資金を移動させるのです。
このように工夫してIPOに申し込んでも、やはりIPOは運次第です。
そのため、「たくさん申し込んだのに、全部落選してしまった」ということもよくあります。
そんな人は、IPOのセカンダリー投資に目を向けてみてはいかがでしょうか?
それでもダメなら、セカンダリー投資がおすすめ
IPOでは、抽選に申し込み、当選したら公募価格で買って初値の値上がりを狙う方法が一般的です。
この方法をIPOのプライマリー投資といいます。
それに対し、IPO銘柄が上場した後に売買する方法をセカンダリー投資といいます。
セカンダリー投資には、抽選がありません。これがセカンダリー投資最大のメリットです。
しかも、銘柄選びをきちんと行えば、プライマリー投資のように値上がり益の獲得も狙えます。
ファンドの運営に携わってきた筆者は、セカンダリー投資の方が魅力的であると考えています。
やはり一番は、抽選がない分、投資の機会が増えることが大きなメリットだと思います。
そして、コツさえ覚えれば、プライマリー投資に負けず劣らず値上がり益が狙えるのも魅力です。
セカンダリー投資の具体的な方法については「抽選なしでIPO投資できるセカンダリー投資とは?特徴や具体的な手順の全て」で詳しく解説しています。
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抽選なしでIPO投資できるセカンダリー投資とは?特徴や具体的な手順の全て
株式投資の中でも、IPO投資は投資初心者からベテランまで、多くの投資家に人気があります。 しかし、IPO投資は誰でもできるわけではなく、抽選に参加し、当選しなくてはいけません。 そのため、IPOで投資 ...
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また、セカンダリー投資の銘柄選びについては「【銘柄選びが重要】セカンダリー投資で勝ちやすい銘柄の特徴について解説」でコツを説明しています。
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【銘柄選びが重要】セカンダリー投資で勝ちやすい銘柄の特徴について解説
抽選のないIPOのセカンダリー投資は、通常の株式投資と同様、誰でも取引できます。 そこで問題になるのが 「どんな銘柄に投資すれば良いの?」 ということ。 当然のことながら、IPOのセカンダリー投資はど ...
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上記2つの原稿を読むことで、セカンダリー投資の基本やコツをしっかり押さえることができるでしょう。
IPOに当選しなくても、それで終わりではありません。
最後まであきらめず、投資の機会獲得を狙っていきましょう。
まとめ
今回はSBI証券でIPOを申し込む際の資金について説明しました。
SBI証券は主幹事にもよくなる会社で、年間のIPO取扱件数も多いです。
そのため、できるだけIPOの申し込みの際は使っていきたい会社だと言えます。
SBI証券はIPOチャレンジポイントという独自のサービスがあるため、これを利用しない手はありません。
資金が限られているのであれば、最初のうちはSBI証券でIPOに当選するのは非常に難しいでしょう。
そのため、最初のうちはIPOチャレンジポイントを獲得するためと割り切って同社のIPOに参加しましょう。
他社などでIPOに当選するようになり、投資資金も増えてきたところで、SBI証券の申し込み数を増やします。
また、IPOチャレンジポイントも何百ポイントにも増えたところで、人気のIPOにはSBI証券から申し込むようにします。
このように、同社は条件さえ整えば、当選確率が上がる会社です。
最初こそダメ元でポイント稼ぎのためにIPOに申し込むだけになるかもしれません。
ですが、「塵も積もれば山となる」でポイントがかなり貯まれば、状況はだいぶ変わってきます。
SBI証券はIPOで最初から結果が出る会社ではない可能性が高いです。
ですが、長く使えば当選確率を上げる方法も使えるようになりますので、諦めずに長く使っていきましょう。