IPO投資

【ファンドのプロが教える】IPO投資の失敗パターンとその回避術

IPO投資は、儲けやすいこともあって人気があります。

しかし、必ず儲かるというわけではありません。

時には、失敗することもあります。

今回は、

「IPO投資で失敗した」

「成功するIPO投資と何が違うの?」

「IPO投資って、どれくらい失敗するの?」

と思っている人に、IPO投資がなぜ失敗したのか、また成功するIPO投資の見分け方などを解説します。

IPO投資は勝率が高いと言われています。なぜなら、初値が公募価格を上回る可能性が高いからです。

株式投資で大変なのは、値上がりしやすい銘柄を見つけることです。

筆者は何年も億単位の資金で株式投資を行ってきましたが、これは当然筆者のお金ではありません。

利益を得られるよう、値上がりしやすい銘柄を探し、運用するのが仕事です。

そのため、できるだけ失敗のないよう、ニュースや財務諸表などの情報を日々チェックする必要があります。

筆者の場合は仕事でこれを何年も行っていて、ある程度は慣れています。

それでも、チェックする項目や判断材料が多く、分析にどうしても時間がかかります。

これを個人投資家、それも本業が他にある個人投資家が行うのは大変です。

作業量も多く、隙間時間に行うのは限界があるでしょう。

その点、IPOのプライマリー投資は判断材料が少なく、分析が楽です。

ポイントさえ押さえれば、初心者でも利益を得られる可能性が高いのです。

ただし、あくまで成功しやすいということであって、必ず成功するということではありません。

当然のことながら、失敗する…つまり、損してしまうこともあります。

そのため、何も知らずにIPO投資を行うのは危険です。

そこで今回は、勝率が高いはずのIPO投資で失敗するケースについて説明します。

この記事を読むことで、IPO投資での失敗の可能性をできるだけ少なくすることができるでしょう。

まずは、IPO投資にはどんな失敗があるのか、ということから説明していきます。

IPO投資の失敗パターンは2つ

それでは具体的に、IPO投資で失敗するケースとしてはどのようなものがあるのでしょうか?

その代表的なケースは、

  • 初値売りに失敗して損する
  • 初値が公募価格を上回らず損する

の2つです。

それぞれについて説明します。

ケース1:初値売りに失敗して損する

まずは、初値売りに失敗して損するケースです。

このケースについては、

  • 成行注文を使わなかった。
  • 売り注文を入れるタイミングを誤った。

の2つのパターンが考えられます。

どちらもさほど多いパターンではないと考えられ、初値売りで失敗するケースで考えられる理由としては、全体の1割にも満たないでしょう。

なぜなら、どちらもケアレスミスが原因だからです。

この理由での失敗は、

  • 事前の確認を怠った。
  • IPOについてきちんと理解しないまま初値売りを行った。

の2つが主な原因であると考えられます。

初値売りではどんな注文を使うべきか事前に確認すれば避けられる失敗です。

また、IPOについて基本を理解していれば、起こらない失敗でもあります。

初値売りについては「【成行注文が基本】IPO投資の初値売りで失敗しないための具体的な手順」で紹介しています。

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【成行注文が基本】IPO投資の初値売りで失敗しないための具体的な手順

IPO投資はいたってシンプル。初値が公募価格を上回れば良いからです。 抽選というハードルはあるものの、当選さえすれば、公募価格で買って初値で売るだけです。 それだけで利益が得られる可能性があるため、I ...

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いつ、どんな手順をしなければならないかも解説していますので自信が無い方は必ずチェックしてください。

次に、初値が公募価格を上回らずに損するケースについて説明します。

初値が公募価格を上回らず損する

初値売りに失敗するケースで圧倒的に多いのが、このケースです。

初値が公募価格を上回らず、買った値段より売った値段の方が安かったというケースです。

初値売りに失敗した人の9割以上がこの理由で失敗していると考えられます。

初値が公募価格を上回らない確率がどれくらいかを、2013年以降のIPOで考えてみましょう。

2013年以降のIPOで初値が公募価格を上回らなかったケースは、

  • 2013年…54件中、2件(3.7%)
  • 2014年…77件中、18件(23.4%)
  • 2015年…92件中、10件(10.9%)
  • 2016年…83件中、16件(19.3%)
  • 2017年…90件中、8件(8.9%)
  • 2018年…95件中、15件(15.8%)

です。

年によってばらつきがありますが、およそ4%~23%の確率で初値が公募価格を上回らないことが分かります。

こちらについては見分け方がありますので、後述の「初値が公募価格を上回らない銘柄を見分ける」をご覧ください。

このように、初値売りに失敗するケースには、大きく分けて2つのパターンがあります。

すでに書いたように、原因で圧倒的に多いのは、初値が公募価格を上回らなかったケースです。

初値が公募価格を上回らなかった事例について、次のコラムで紹介します。

【コラム】IPO投資の失敗事例

2019年8月に行われたステムリムのIPOは想定仮条件を引き下げたことで話題になりました。

当初の想定仮条件は2,370円~3,730円でしたが、最終的な仮条件は1,000円~1,700円となったのです。

どうして仮条件を大幅に引き下げたのかというと、機関投資家が想定仮条件では高すぎると判断したからです。

その結果、当初の予定よりも、市場からの資金調達額が少なくなってしまいました。

このような紆余曲折があったステムリムの公募価格は1,000円となりました。

この価格は仮条件の下限の価格です。

そうして迎えた上場当日、ステムリム株は初値が930円と、公募価格を70円下回り7%の公募割れとなりました。

なぜ、このようなことになったのでしょうか?

バイオベンチャー株の上場は、それ以外の業種の会社が上場するのとは訳が違い、非常に特殊です。

なぜなら、ほとんどの場合が新薬の研究・開発を進めている段階での上場だからです。

そのため、将来の業績を予測し辛いのです。

新薬の開発を進めたからといって、想定した結果を得られる製品ができるのか、誰にも分かりません。

また、仮に想定どおりの医薬品が開発できても、認可されて市販に至るまで時間がかかります。

その間、多額の研究開発費がかかり、万年赤字の状態が続きます。

その上、臨床実験をクリアし治験に至った医薬品のうち、認可され販売できるものは12%と非常に少ないです。

つまり、バイオベンチャー株への投資はかなりリスクが高いのです。

このような理由から、日本の機関投資家はバイオベンチャー株の保有を敬遠する傾向にあります。

そのため、日本の場合、バイオベンチャー株のほとんどを個人投資家が保有しているのです。

かつて日本の株式市場でも、バイオベンチャー株に高い関心が集まっていた時代がありました。

ですが、現在では上記の理由から、バイオベンチャー株は危険という見方がされています。

バイオベンチャー株はテンバガー(10倍となる株)となる可能性があるのは確かです。

そのため、そのIPOに興味を持つ人も多いでしょう。

ですが、既述のようにリスクが高いのもまた事実です。

バイオベンチャーのIPOには、リスクをよく理解した上で参加しましょう。

この、ステムリムの事例のように、IPO投資には失敗の可能性もあります。

IPO投資での失敗を回避するにはどうしたら良いでしょうか?

次にそのことを説明します。

IPO投資の失敗を回避する方法

IPO投資の失敗を回避することは可能です。

どうすれば回避できるのか、ケース別に解説していきます。

まずは、初値売りに失敗するのを回避する方法について説明します。

ケース1:初値売りに失敗しないためには事前に成行注文を入れておく

まず、初値売を失敗しないためには事前に成行注文を入れておくことが大切です。

事前に初値注文を入れていなければどうなるのかを、次の見出しで考えてみましょう。

成行注文を使わなかった。

IPOは初値がいくらになるか、その時が来るまで分かりません。

そのため、初値売りの際は成行注文を使用します。

もしも初値売りで成行注文ではなく、指値注文を使ったら、どうなってしまうのでしょうか?

その場合、初値が指値注文の金額より低いと、約定せずに注文が残ってしまいます。

そもそも、指値注文は投資家にとって有利方向に働く注文方法です。

指値注文を使うと、指定した価格以上で売る、指定した価格以下で買うことになります。

そのため、指値注文を出した投資家にとって、相場が有利方向に動かなければ約定しません。

通常の株取引であれば、その銘柄の普段の値動きがわかります。

それに基づき、「これくらいの変動幅なのではないか」と予測することも可能です。

ですが、IPOは初めて上場する銘柄を取引対象とするものです。

そのため、値動きを予想することは困難です。

このことから、指値注文はIPOの初値売りには不向きであると言えるのです。

一方、成行注文は、約定優先の注文方法です。

価格を指定せず、何円でも売ります・買いますという発注をします。

何円になるか分からないIPOの初値売りには適した注文方法なのです。

成行注文を事前に入れておかなかった。

成行注文を入れることをクリアしても、そのタイミングを誤ると、すべてが水泡に帰すことになります。

つまり、成行注文は適切なタイミングで入れなければなりません。

IPOの初値売りは、上場当日の午前9時が注文のタイムリミットとなります。

なぜなら、株式市場のスタート時間は午前9時だからです。

そのため、事前に注文しておく必要があります。

初値が決まってしまった時点で初値売りは不可能になります。

もちろん、相場の状況次第では、運良くどこかのタイミングで初値と同じ株価になる可能性はあります。

ですが、そうなる保証はどこにもありません。

そのため、初値売りをするのなら、上場当日の午前9時までに注文を入れておくことが必須です。

ただし、上場当日の午前9時の時点で注文を入れ忘れていた場合でも、初値売りに間に合うことがあります。

それは、人気が集中して初値がなかなかつかないケースです。

場合によっては、上場日に初値がつかず、翌日や翌々日など数日経ってから初値がつくこともあります。

この場合は、市場が開いた後に注文を入れても初値売りが可能となるでしょう。

とはいえ、初値が順調につくのか、それとも時間がかかるのかは、実際にその時を迎えなければわかりません。

初値売りをしたいのであれば、市場が開く午前9時までに必ず注文を入れておくようにしましょう。

次に、初値が公募価格を上回らず、IPO投資に失敗するケースについて見てみましょう。

そうならないためには、初値が公募価格を上回らない銘柄を見分ける必要があります。

その方法について説明します。

ケース2:初値が公募価格を上回らない銘柄を見分ける

IPO銘柄の中には、初値が公募価格を上回らない銘柄もあります。

こういう銘柄をあらかじめ見分けることができれば、IPO投資の失敗も減らすことができるでしょう。

その見分け方について、解説します。

初値が公募価格を上回るかどうかのチェックポイントを知ろう

初値が公募価格を上回らないという事態を避けるためには、IPOに申し込む前に下記の点をチェックしましょう。

  1. 公募株が売出株よりも多いかどうか。
  2. 市場の規模に吸収金額が合っているかどうか。
  3. 再上場の銘柄ではないか。
  4. 業績は増収増益基調か。
  5. 旬のテーマに沿った事業内容や人気の事業内容か。
  6. 公募価格が仮条件の上限価格を下回っていないか。
  7. 大株主にベンチャーキャピタルがいるかどうか。

この7つを全てクリアしていれば、初値が公募価格を上回る可能性が高くなります。

なお、7つの項目の詳細については、こちらの記事「【成行注文が基本】IPO投資の初値売りで失敗しないための具体的な手順」で説明しています。

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【成行注文が基本】IPO投資の初値売りで失敗しないための具体的な手順

IPO投資はいたってシンプル。初値が公募価格を上回れば良いからです。 抽選というハードルはあるものの、当選さえすれば、公募価格で買って初値で売るだけです。 それだけで利益が得られる可能性があるため、I ...

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内容を確認し、しっかり理解しましょう。

上記の7つが、初値が公募価格を上回るかどうかを知るためのチェックポイントです。

ですが、それ以外にも、初値が公募価格割れしないかどうか、確認する方法があります。

これは裏技的な方法で、どのIPOでもチェックしなければならないというわけではありません。

それでは、その裏技について説明します。

チェックポイント以外の裏技

上記のチェックポイント以外にも、見分けるための裏技というべきポイントがあります。

それは、

  • 前のIPOから時間が空いているか。
  • 上場する市場は東証マザーズか。

の2つです。

それぞれについて説明します。

裏技チェックポイント1:前のIPOから時間が空いているか。

前のIPOの開催から時間が空いている場合は、狙い目といえます。

IPOが開催されるまで期間が空いた場合、人気が集中しやすくなるからです。

IPOは常に行われているわけではありません。

もしも、前のIPOから間を空けたIPOなのであれば、初値が公募価格を上回る可能性が高まります。

その上で、すでに書いた7つのチェックポイントを確認します。

もしもチェックポイントをほとんどクリアしているなら、そのIPOの初値は想定以上に高騰するかもしれません。

裏技チェックポイント2:上場する市場は東証マザーズか。

東証マザーズに上場するIPO銘柄は小型株です。

しかし、その分成長が期待できる銘柄が多いという点に注目しましょう。

つまり、急成長が期待できる銘柄ということになり、投資家の人気が集まりやすくなります。

これも狙い目です。

基本的に、相場の地合いがいい年のIPOは勝率が高くなります。

例えば、2013年はアベノミクス相場だったので、どの市場でもIPOの勝率は高かったのです。

しかし、相場の地合いがあまり良くない年もあります。

その時は、新興企業である分、成長が早い東証マザーズのIPOが投資家から好まれます。

そのため、東証マザーズのIPOは初値が公募価格を上回る可能性が高くなります。

次に、IPOのプライマリー投資を行う上で失敗を避けるためにチェックしたい、季節性について説明します。

季節性を考えてプライマリー投資にチャレンジする

IPOのプライマリー投資を行うなら、季節性を考えてチャレンジしましょう。

というのも、基本的に、4月と12月のIPOは初値が高騰しやすい傾向があるからです。

4月の場合、5月のIPOの件数が少なくなることが高騰しやすくなる原因です。

5月は初旬にゴールデンウィークを挟むため、IPOの件数が減ってしまうのです。

その上、4月の最後のIPOから5月の最初のIPOまで間が空いてしまいます。

12月の場合も同様です。

12月の終わりから1月の初めにかけて年末年始の休みがあります。

そのせいで、1月のIPOは実施されないことが多いのです。

そのため、12月の最後のIPOから次のIPOまで、1か月以上も間が空いてしまいます。

このような理由から、4月と12月には駆け込み的にIPOにチャレンジする投資家が増える傾向にあるのです。

IPOにチャレンジする投資家が増えると、IPO銘柄への人気が集中します。

そうなると、初値も高騰しやすくなるのです。

人気が高まる分、抽選に当選する確率は厳しくなります。

ですが、当選した場合の勝率は高くなるうえ、株価高騰による利ザヤの拡大が狙えます。

このように、IPOのプライマリー投資で勝ちたいのであれば、季節性を考えることも大切です。

人気が出やすいかどうか、IPO件数やスケジュールを基に考えてみると良いでしょう。

まとめ

IPO投資は勝ちやすい投資方法ではあるのですが、必ず勝てるというわけではありません。

ただし、いくつかの点に注意すれば、初値が公募価格を下回るような銘柄を避けやすくなります。

失敗を避けるためには、注文をするタイミングを間違えないことと、銘柄を良く見分けることが大切です。

チェックするべきポイントを踏まえて、しっかりと確認しましょう。

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