「IPOに参加したいけれど、何回やっても当選しない・・・」
「抽選って、本当にしているのかな?」
IPO投資をしたいと思っている人の中には、このような悩みを抱えている人も少なくないでしょう。
IPOの当選確率はかなり低いとあって、こう考える人がいるのも無理はありません。
しかし、ただ漠然とIPOに応募しているだけでは、いつまでも当選する可能性は低いままです。
IPOの当選確率は、工夫次第で上げることもできるのです。
そこで今回は、IPOの当選確率はどうやったら高くなるのか、そのためのテクニックについて解説していきます。
筆者はファンド業務で日々、数億円の取引を行っております。その経験則からの確率や確率を高める方法を紹介していきます。
さらんびIPOの抽選に落ちた場合でも、IPOの恩恵を受けられる投資方法についても紹介していきます。
これを知っておけば、IPOの勝率も高くなるでしょう。
IPOの当選確率はどのくらい?
IPOの当選確率について、具体的な当選確率を証券会社は基本的に公表していません。
ですが、基本的にはわずか数パーセントの割合でしか当たらないと言われています。
私が証券会社時代に聞いた話によれば、大体1%~2%程度の当選確率だということでした。
これが主幹事会社になれば、もう少し当選確率が上がります。
ですが、大幅に上がることはなく、1%の当選確率が3%くらいになる、といった程度であるようです。
このことを踏まえ、1年間の全てのIPOに申し込んだ場合は、何回当選するのか考えてみたいと思います。
1年間のIPOに全て応募しても当選確率は1〜2回程度
2018年は95件のIPOがありました。
全てに申し込んだ場合、1%の当選確率なら、0.95件…つまり、1件当選するかどうか、ということになります。
2%の当選確率なら、1.9件…つまり、最低でも1件は当選し、2件当選する可能性もあることになります。
ただし、これは一人一票制の証券会社で応募した場合、という条件が付きます。
証券会社の中には、一人一票制以外にも
- 応募口数に票数が比例する方式
- 手数料や預け残高によって当選確率が変わる「ステージ制」
など様々な方式があります。
これらの方式を利用して申し込めば、当選確率はもっと上がる可能性があるのです。
では、「お金は少ないけれど、とにかくIPOに当選したい」人はどのような方法を行えば良いのでしょうか?
次に、このことについて考えてみたいと思います。
本気で当てたい方が実践すべきIPO投資の方法は2つ
もし「ぜったいにIPO投資をしたい!」と本気でIPO投資をしたいのであれば、
- 当選確率を上げやすい証券会社で申し込む
- セカンダリー投資で当選を気にせずIPO銘柄を取引
の2つしか選択肢はないでしょう。
まずはどのようにしたらIPOの当選確率を上げやすいのか紹介していきます。
本気のIPO投資法1:IPOの当選確率をあげる!3つの口座開設で確率3倍
資金の少ない人は、
- 完全平等抽選を行う証券会社
- 申し込みが少ない=ライバルが少ない証券会社
- よく主幹事になっている証券会社
の3つの証券会社でIPOに申し込みましょう。
おすすめ1:抽選方法が完全平等抽選でおすすめ「マネックス証券」
マネックス証券では、一人一票制の完全平等抽選が行われています。
そのため、資金が少ないからといって当選確率が下がることはありません。
また、マネックス証券は主幹事になることは非常に少ないのですが、引受幹事によくなっています。
引受幹事の証券会社の場合、
- 90%が裁量配分
- 10%が抽選
という形になることが多いです。
つまり、引受幹事の証券会社の場合、割り当てられたIPO株の90%は対面取引の資産家に回されるのです。
しかし、マネックス証券は引受幹事になっても裁量配分には回さず、全てを抽選枠に回すのが大きな特徴です。
そのため、資金が少なくても当選する確率が高くなるのです。
ちなみに、引受幹事証券会社とは、主幹事以外の幹事証券会社のことです。
幹事証券会社はIPO時、上場の準備や審査対応などについてアドバイスします。
また、証券取引所とも協議や調整を行います。
その中で最も責任があるのが主幹事証券会社で、それ以外の幹事証券会社を「引受幹事証券会社」といいます。
ちなみに、引受幹事証券会社のことを平幹事証券会社ということもあります。
おすすめ2:ライバルが少ない口座でおすすめが「カブドットコム」
カブドットコム証券は自社が主幹事になることはほとんどありません。
ですが、同じグループの三菱UFJモルガン・スタンレー証券が主幹事になることがあります。
その際に、カブドットコム証券が引受幹事となってIPOを取扱うことがあるのです。
なお、
- 2017年には27件
- 2018年には23件
のIPOを取扱っています。
カブドットコム証券は、一人一票制を採用しています。
また、割り当てられた株の100%を抽選に回すのも大きな特徴です。
おすすめ3:主幹事回数の多さでおすすめ「SBI証券」
ブルームバーグの日本資本市場リーグテーブルによれば、SBIホールディングスが主幹事となった2018年度のIPO件数は11件です。
全体のシェアからすると12.5%で第6位になっています。(ちなみに、SBIホールディングスの証券会社はSBI証券以外に2社ありますが、IPOを取扱っているのはSBI証券だけです。)
他の大手証券会社を抑えての6位という主幹事実績はネット証券としてはダントツです。
また、主幹事だけでなく引受幹事にもよくなっているため、2018年のIPOは88件と非常に多いのが特徴です。
残念ながらSBI証券では一人一票制は採っていません。
ですが、「IPOチャレンジポイント」というユニークな仕組みを採用しています。
「IPOチャレンジポイント」では、IPOの抽選に外れた回数に応じ、ポイントが1ポイントずつ加算されます。
貯まったポイントは次回以降のIPOに使用でき、ポイントの数に応じて当選確率が上がる仕組みになっています。
申し込みを続けるほど当選確率を上げられるのが、SBI証券の大きな特徴です。
まずは上記でおすすめした3つの証券口座を全て申し込み、IPOの抽選に応募することが鉄則です。
ここで忘れないうちに、いま口座開設をしておきましょう。
次におすすめする方法は、上記の方法に加えて取り組むべき方法となります。
ここまで説明したように資金が少なくても工夫次第でIPOの当選確率を上げることは可能です。
ですが、できれば当選なしでIPO銘柄を取引したいと思いませんか?
そんな人におすすめなのがIPOのセカンダリー投資です。
本気のIPO投資法2:「セカンダリー投資」で当選確率を気にせずIPO銘柄を取引できる!
IPO銘柄が上場した後に売買するセカンダリー投資は、抽選がありません。
しかも、銘柄選びをきちんと行えば、プライマリー投資のように値上がり益の獲得も狙えます。
ちなみに、プライマリー投資とは、公募価格でIPO株を買い、初値の値上がり益の獲得を狙う投資法のことです。
IPO投資といえばプライマリー投資を指すことが多いようです。
なお、この投資法はIPOに当選しないと行うことができません。
私がファンド業務を行っている経験を踏まえても、やはり抽選のあるIPOのプライマリー投資より、セカンダリー投資の方が魅力的であると言えます。
コツさえ覚えれば、プライマリー投資に負けず劣らず値上がり益が狙えるからです。
何より、抽選がない分、投資の機会が増えることが大きなメリットだと思います。
それでは、セカンダリー投資を行うための具体的な手順を見てみましょう。
セカンダリー投資の手順は3STEP
セカンダリー投資は
- STEP1:IPOのスケジュールと目論見書をチェックする
- STEP2:証券口座に入金する
- STEP3:セカンダリー投資の取引をする
の3ステップで簡単にできます。
コラム:口座は取引しやすい証券口座でOK!おすすめは「松井証券」
IPO投資とは違って、セカンダリー投資の場合はどの証券会社を利用しても問題ありません。
そのため、手数料が非常に重要となります。
その点でおすすめなのが、松井証券です。
松井証券では、1約定ごとの手数料というのは設定されていません。
松井証券の手数料は、1日の約定代金の合計金額に応じて変化する手数料のみとなります。
この場合、1日の約定代金の合計が一定の範囲であれば、取引の回数に関係なく定額となる点がメリットです。
この合計金額が10万円以下であれば、手数料はなんと0円です!
さらに、それを超えても20万円までなら300円、50万円までなら500円と、非常にリーズナブルな料金設定になっているのです。
また、松井証券の強みとして信用取引の使いやすさがあります。
信用取引の場合も、1日の約定代金の合計金額が10万円までなら0円ですが、さらにデイトレードの場合は片道分の取引手数料も0円となるのです!
松井証券で提供している、取引ツールの「ネットストックスマート」も高い評価を得ています。
市況をグラフなどの形で視覚的に表示することも可能で、値上がり率などの一般的なランキング以外にも寄前気配などをランキング形式で掲載しているので、非常に豊富な情報量を誇っています。
さらに、他社であれば有料で提供している機関投資家御用達のQUICK社のシステムについても、無料で提供しているのです。
STEP1:IPOのスケジュール確認と目論見書チェック
まずは、IPOのスケジュールを確認します。
いつ、何の銘柄が上場するのかしっかりチェックしましょう。
その中に気になる銘柄があれば、その銘柄の目論見書を確認します。
ここで必ず確認したいのは、
- 想定価格に対して仮条件が低い
- 公募価格が仮条件の上限に満たない
ということになっていないか、ということです。
それに加え、
- 自己資本比率が低く、流動資産が流動負債より小さい。さらに、流動負債-流動資産>営業キャッシュフローとなっている
- 大株主にベンチャーキャピタルがいる
ということになっていないか、ということもチェックが必要です。
他にもチェックすることはありますが、まずはこの4つを押さえておきましょう。
STEP2:証券口座に入金する
続いて証券口座に入金します。入金の方法はいくつかあります。
その中で各社共通の方法として、
- 銀行振込
- インターネットバンキングからのクイック入金
の2つがあります。
銀行振込は、証券会社が用意している振込専用口座に入金する方法で、銀行窓口かATMから入金します。
手続きはどこの銀行でも可能で、コンビニにあるATMからでも手続きは可能です。
しかし、その入金が反映されるまでは基本的に時間がかかります。
午前中の入金だと午後に反映されることもありますが、午後になると翌日扱いになることも多いでしょう。
クイック入金は、基本的に即時反映されることが多いので、急いで入金したい場合は有効です。
なお、証券会社によっては、クイック入金ではなく、別の名称になっていることもあります。
名称は違っても、内容は即時入金・即時反映ということで同じです。
銀行振込は振込手数料が自己負担になりますが、クイック入金は手数料が無料の場合がほとんどです。
ただし、証券会社ごとに対応している銀行が異なっているので注意が必要です。
また、利用するには事前にインターネットバンキングの利用手続きを済ませておかなくてはいけません。
クイック入金は、証券会社のホームページからログインして行うか、もしくは取引ツール内で行います。
クイック入金に対応している金融機関は証券会社によって様々です。
例えば松井証券の場合を見てみましょう。
松井証券では、クイック入金が「ネットリンク入金」という名称になっています。
松井証券のネットリンク入金では、対応銀行に
- 三菱UFJ銀行
- みずほ銀行
- 三井住友銀行
の三大メガバンクの他、
- りそな銀行
の準メガバンク、そして、
- ゆうちょ銀行
があります。
さらに、京都銀行や福岡銀行などの地銀もネットリンク入金に対応しています。
また、楽天銀行やジャパンネット銀行、ソニー銀行などのネットバンクもネットリンク入金に対応しています。
2019年9月現在、松井証券では計17行がネットリンク入金に対応しているようです。
今後、対応可能銀行に変更が出る可能性もありますので、利用の際は上記URLを確認すると良いでしょう。
STEP3:実際にセカンダリー投資の取引をする。買い方は主に3個
証券口座に入金したら、さっそくセカンダリー投資を始めてみましょう。
セカンダリー投資には主に3つの買い方があります。
それぞれについて見てみましょう。
買い方1:IPO銘柄を初値で買い、新規上場日の値上がりに乗って、その日のうちに売却する
上場日に初値で買い、その後の値上がり益を狙う方法です。
上場後の激しい値動きに乗って、大きな値上がり益を狙う短期勝負の方法です。
買い方2:IPO銘柄を初値で買った後しばらくその銘柄を保有し、値上がりしたところで売却する
この買い方は、初値がそれほど値上がりしなかった銘柄のうち、内容がそれほど悪くないものに投資します。
上場日に初値で買うところまでは「買い方1」と同じですが、こちらの方法ではしばらくの間保有します。
なお、「しばらくの間」というのは銘柄によって異なります。
買った後、どれくらいの期間でどれくらいの値上がりをするのか、誰にも分かりません。
そのため、この買い方の場合、明確な利益確定ラインを決める必要があります。
利益確定ラインは「買値から〇%上がった時」「利益が〇円になった時」という感じで決めると良いでしょう。
買い方3:IPO銘柄を初値ではなく上場後に利益確定売りで下落したところを狙って買いを入れる
IPO銘柄を初値ではなく、上場後に利益確定売りで下落したところを狙って買いを入れます。
そして、ある程度の期間保有して値上がりを狙いましょう。
上場後、大抵のIPO銘柄は値下がりします。そのタイミングを見計らって買いを入れる方法です。
こちらも、「買い方2」と同様、内容が悪くないものに投資します。
それぞれの買い方について、ここではざっくりとした概要を解説しました。
詳細については、「セカンダリー投資」の記事をチェックしてみて下さいね。
まとめ
IPO投資をするには抽選で当選しなくてはいけませんが、その抽選方法は証券会社によって大きく異なります。
資金の少ない人がIPO投資に初チャレンジする場合は、完全平等抽選を行っている証券会社を選びましょう。
また、SBI証券のように資金が少ない人でも利用できるポイント制もおすすめです。
資金が少なくても工夫次第で当選確率を上げることはできるのです。
また、IPOの抽選に落ちたとしても、セカンダリー投資を狙うことができます。
銘柄選びをきちんと行えば、プライマリー投資と遜色ない利益を上げることもできます。
なにより抽選がないのがセカンダリー投資の大きな強みです。
抽選ありのプライマリー投資で外れたもののうち、セカンダリー投資向きのものはそちらで拾っていく。
このような形でIPO投資を行ってみてはいかがでしょうか?