IPO投資

IPOの補欠当選は要注意!繰上当選の確率や辞退のペナルティー、注意点を全解説

IPOの補欠当選を狙っている人や補欠当選した人は

「IPOの補欠当選は繰上当選しやすいの?確率はどれくらい?」

「補欠当選を辞退してもペナルティーはないの?どうすれば良い?」

「SBIの補欠当選の確率はどれくらい?」

と気になるのではないでしょうか?

結論からお伝えすると補欠当選が繰り上げ当選する確率は非常に少ないです。

後述しますが一部の証券会社によっては「落選」を意味しているケースすらあります。

筆者はファンド業務で日々数億円の取引をしていますが、意外と各証券会社でルールが違います。

資金が拘束されるケースもあれば、辞退をすればペナルティーを受けることもあります。

安易に補欠当選を考えるのは危険です。

ぜひ、この記事を一読して後悔のないIPO投資をしてください。

IPOの補欠当選って何?

IPO投資をするには、まず抽選を受ける必要があります。

そして、その際の抽選結果には、当選と落選以外に「補欠当選」があります。

一般的に、補欠当選とは条件付き当選のことを意味します

条件付き当選とはどういうことかというと、「当選者からキャンセルが出た場合に当選する」という意味です。

つまり、正規の当選ではなく、キャンセルが出れば当選、ということになります。

IPOでも補欠当選とは「当選者からキャンセルが出た場合に当選する」ことを指すのがほとんどです。

ただし、一部の証券会社では、そうではないケースもあるので、注意が必要です。

このことについて、次で詳しく説明します。

補欠当選が落選を意味する会社もある

既述のとおり、基本的に補欠当選とは「当選者の中でキャンセルが出た場合に繰上当選する」ことを指します。

ただし、一部の証券会社ではそうでないケースがあります。

具体的には、

  • SMBC日興証券
  • 三菱UFJモルガン・スタンレー証券
  • 丸三証券
  • 東洋証券

では、補欠当選の意味が一般的なものとは異なります。

どう異なるのかというと、実質的に落選という意味で使われているのです。

ちなみに、三菱UFJモルガン・スタンレー証券に関しては、補欠当選ではなく、「次点」と表記されます。

また、SMBC日興証券の場合は、上記のとおり、補欠当選=落選ということになりますが、例外もあります。

それは、同社が主幹事を務めるIPOです。

この場合、ケースとしては非常に少ないものの、補欠当選であっても繰上当選する可能性があります。

このように、IPOの補欠当選は、証券会社によっては落選を意味する場合もあるので注意が必要です。

さて、そんな補欠当選ですが、もしも補欠当選した場合はどうなるのでしょうか?

果たして繰上当選するのかどうか、気になるところです。

次に、このことについて説明します。

IPOの補欠当選から繰上当選する確率は極めて少ないがゼロではない

結論からいうと、IPOの補欠当選から繰上当選する確率は極めて少ないです。

特に人気のあるIPOについては、なかなか繰上当選しないのではないかと考えられます。

当然のことながら、各IPOでキャンセルが出るかどうかは分かりません。

また、キャンセルした人の数はIPOによって異なります。

さらに言えば、どれくらいのキャンセルが出たのか、証券会社が公開することは基本的にありません

そのため、どのくらいの確率で繰上当選するのか、具体的な数字を出すことは不可能です。

とはいえ、基本的に繰上当選の可能性は低いと考えて問題ありません。

証券会社時代から現在のファンド業務までの約10年間で、繰上当選した話を筆者は聞いたことがありません。

日証協等の自主規制団体がそのような調査をすることもないようです。

ときどき日経新聞などで注目IPOの当選確率が記事になっていることがありますが、これについては、日経新聞が独自のルートを使い、主幹事証券会社から聞き出したものと考えられます。

さらに、当選辞退した人に対してペナルティを課す証券会社に関しては、特にその可能性は低くなるでしょう。

なぜなら、ペナルティを恐れてキャンセルしない人が多いからです。

なお、当選辞退者に対しペナルティを課す会社は、

  • SMBC日興証券
  • 三菱UFJモルガン・スタンレー証券
  • 東洋証券
  • 岡三証券

の4つです。

この4社は、いずれも対面の総合証券です。

また、上記4つの証券会社のペナルティ内容については、

◇SMBC日興証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、東洋証券

  • 購入キャンセルの翌日から1か月間は新規のIPO申し込み不可
  • すでに申し込んでいるIPO申し込みが全て無効となる

◇岡三証券

  • 購入辞退以降のIPO申込不可

と、このようになっています。

なお、現状、ネット証券の中で、当選をキャンセルした際のペナルティを課すような会社はないようです。

ですが、今はそういう方針であっても今後はどう変更されていくのか分かりません。

そのため、ペナルティに関し、会社の方針に変更がないかきちんと確認した上でIPOに参加しましょう。

さて、次に知りたいのが、補欠当選から繰上当選するパターンです。

可能性としては低いものの、どのようなパターンで繰上当選するのでしょうか。

次に、このことについて解説します。

補欠当選から繰上当選するパターンは4つ

補欠当選から繰上当選となるパターンとして考えられるのは、4つあります。

それは、

  • 当選者数が多いIPO
  • 人気がないIPO
  • 当選辞退や見送りが多いIPO
  • 補欠当選そのものが少ないIPO

です。

それぞれについて説明します。

当選数が多いIPO

IPOの中でも、当選数が多いものであれば繰上当選の可能性が高くなります。

例えば、抽選配分が5,000枚の証券会社と、50枚の証券会社を比較した場合はどうでしょうか。

5,000枚の証券会社の当選枚数は5,000枚ということになります。

一方、50枚の証券会社の当選枚数は50枚です。

IPOでは、当選数が多ければ多いほど、キャンセル数も多くなる可能性があります

それに比例して、繰上当選となる可能性も増えるのです。

これがどういうことか考えてみましょう。

仮に、一定の割合でキャンセルが発生するとしたらどうでしょうか。

ここでは、当選者のキャンセル率を2%と仮定します。

その場合、当選枚数が5,000の証券会社におけるキャンセル数は100となります。

これを言い換えれば、繰上当選数が100あることになります。

一方、当選枚数が50の証券会社の場合、キャンセル数は1です。

つまり、繰上当選数は1つしかない、ということになります。

このことから、キャンセル率が同じでも、当選数によりキャンセル数は異なるということが分かります。

上で書いたように、当選数が多くなればなるほど、様々な事情によりキャンセルする人が増えます。

当選数が少ないと、その分キャンセルする人も減ってしまうのです。

上の例では、キャンセル率が2%の場合、当選枚数50で1枚のキャンセルが発生することが分かりました。

ですが、もしも当選枚数が10だったらどうでしょうか?その場合はキャンセル率2%で、0.2枚のキャンセルが発生することになります。

つまり、実質的にキャンセルは発生しないということになるのです。

このことから分かるように、繰上当選を狙うなら、当選者が一定以上の人数であることが条件になります。

つまりは抽選配分数が多いことが条件になるのです。

抽選配分数が多いのは、主幹事証券会社です。

もしも補欠当選後の繰上当選を狙いたいなら、主幹事証券会社からIPOに申し込みましょう

人気がないIPO

人気がないIPOの場合は、キャンセルする人が増え、繰上当選の可能性が高くなります。

人気がないIPOとは、初値が公募価格よりも低くなりそうなIPOです。

例えば、公募よりも売出が多いIPOや旬のテーマではない地味な業種のIPOが該当します。

基本的に人気があるIPOとは「初値>公募価格」の条件に9割くらい当てはまっています。

この条件から大きく外れたIPOは、公募割れの可能性が高くなってしまうのです。

このようなIPOは、ポイント獲得狙いなどで申し込んだ人が当選しても、キャンセルする可能性が高くなります。

なお「初値>公募価格」となる可能性が高いIPOを見分けるには、チェックすべきポイントがあります。

こちら「【IPOは儲かる?】ファンド業務10年のプロが教える確率とその理由」の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にして下さい。

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当選辞退や見送りが多い

当選辞退や見送りが多くなるIPOは、上記のとおり公募割れの可能性が高いIPOがまずは挙げられます。

このようなIPOは、公募価格が出た後に公募価格が仮条件の上限未満となるケースが多いです。

つまり、例えば仮条件が「1,000円~1,500円」の場合、上限とは1,500円のことになります。

そして、公募割れとなる可能性の高いIPOは、この例の場合、公募価格が1,500円を下回るケース、ということです。

その場合、キャンセルのペナルティを課していない会社では、当選辞退する人が増えます

そのため、このようなIPOは、繰上当選する可能性が高くなるのです。

また、当選した際の連絡がない証券会社についても、当選辞退や見送りをする投資家が多い傾向があります。

具体的な例として挙げられるのが、東海東京証券です。

同社の場合、IPOの抽選結果の連絡は特にありません。

そのため、抽選結果の発表日になったら自分で取引画面にログインし、抽選結果を確認する必要があります。

つまり、結果発表日をしっかり覚えておかなければならないのです。

これを失念した結果、当選見送りとなってしまうケースが増えてしまうのです。

また、野村證券の場合は、一応メールで連絡があります。

ただし、メールのタイトルや本文にIPOの抽選結果という文言はありません。

そのほかのお知らせとタイトルや本文が一緒のため、見落とす可能性があります。

補欠当選そのものが少ない

すでに紹介したとおり、証券会社によっては、落選と補欠当選の区別がない会社もあります

つまり「補欠当選=落選」という証券会社です。

そのような会社については、そもそも補欠当選という記載がないことから、落選も補欠当選も一緒くたになっています。

つまり、このケースの場合、落選者全員が繰上当選の可能性を有していることになるわけです。

その結果、きちんと落選と補欠当選を分けている証券会社よりも補欠当選者は潜在的に多くなってしまいます。

具体的にいうと、既に紹介したとおり、

  • SMBC日興証券
  • 三菱UFJモルガン・スタンレー証券
  • 丸三証券
  • 東洋証券

がこれに当てはまります。

それに加え、キャンセルした際に被るペナルティを恐れてキャンセルしない人が多い可能性も高いです。

このような理由から、「補欠当選」と「落選」とを分けている会社の方が補欠当選の数は少なくなります。

その分、繰上当選の可能性は高くなるでしょう。

ここまで、補欠当選から繰上当選するパターンについて紹介しました。

それでは、具体的にどんな証券会社であれば、補欠当選しやすいのでしょうか?

次に、このことについて説明します。

補欠当選しやすい証券会社はある?おすすめは野村證券

補欠当選しやすい証券会社としておすすめなのは、野村證券です。

なぜなら、野村證券はIPOの取扱数が多く、さらには、主幹事証券会社によくなる証券会社だからです。

そのため、必然的に配分数も多くなり、同時に当選数も多くなります。

さらに、当選数が多い分、キャンセルする人も必然的に多くなります

そのため、比例して補欠当選数も多くなっていきます。

また、野村證券ではIPOの当選後のキャンセルについては、何のペナルティも設けてはいません

そのため、IPOの様子を見てキャンセルする人も少なくないのです。

抽選結果についてはメールで届きます。

ですが、IPOの抽選結果などといった文言はタイトルや本文に記載されていません。

そのため、IPO関連の連絡とは気づかず見落としてしまう人がいると考えられます。

当選していても見逃してしまい、そのまま期間が過ぎてキャンセルとなるケースが多いと考えられるのです。

このような理由から、野村證券は補欠当選から繰上当選しやすいと考えられます。

補欠当選が多いことに加え、繰上当選も狙えるおすすめの証券会社です。

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ここまで、補欠当選と繰上当選についておすすめの証券会社とその理由を説明しました。

それでは次に、補欠当選の注意点について、どのようなものがあるか解説します。

補欠当選の注意点は2個

申し込んだIPOで補欠当選となった場合、どんな点に注意しなければならないでしょうか。

実は、補欠当選には2つ注意しなくてはいけない点があります。

それは、

  • 補欠当選=落選ではないか
  • 資金拘束されないか

ということです。

それぞれの注意点について詳しく説明します。

注意点1:補欠当選した証券会社は補欠当選=落選ではないかを確認しよう

既述のとおり、証券会社の中には補欠当選を単なる落選として扱っているところもあります。

具体的には、

  • SMBC日興証券
  • 三菱UFJモルガン・スタンレー証券
  • 丸三証券
  • 東洋証券

の4社です。

この4社における補欠当選は、落選という意味になります。

そのため、この4社からIPOに申し込んだ場合は、補欠当選の連絡が来ても喜べないので要注意です。

ただし、補欠当選=落選ということは、落選が補欠当選に変わる可能性もあるということです。

例えば、SMBC日興証券の場合は、同社が主幹事の場合のみ、その可能性が浮上します。

このような例もあるため、この4社で補欠当選になっても、完全に落選とも言い切れない面があります

ただし、繰上当選となって選ばれる可能性というのは極わずかしかありません。

そのため、実質的にはやはり落選と考えておいた方がいいでしょう。

注意点2:補欠当選は資金拘束されるケースも

通常、IPOに当選した場合はその購入資金が拘束されることになります。

しかし、証券会社によっては、補欠当選であっても、資金拘束される場合があるので注意してください。

具体的には、SBI証券や立花証券がそれに該当します。

ただし、IPOに参加する場合はそれ以前から資金を拘束される証券会社もあります

具体的には、

  1. ブックビルディングに参加した時点で資金拘束される会社
  2. 抽選の際に資金拘束される会社
  3. 後期型の証券会社

という3つに分けられます。

いずれも、当選結果が出る前から資金拘束されるのです。

その場合、落選すれば資金拘束は解除されます。

ですが、補欠当選はそのまま資金拘束されてしまうので注意が必要です。

上記のようなタイミングで資金拘束をする証券会社としては、

「① ブックビルディングに参加した時点で資金拘束される会社」が

  • SMBC日興証券
  • マネックス証券
  • 東洋証券

「②抽選の際に資金拘束される会社」

  • 三菱UFJモルガン・スタンレー証券
  • 東海東京証券
  • 丸三証券

「② 後期型の証券会社」が

  • 楽天証券
  • カブドットコム証券
  • 岩井コスモ証券
  • GMOクリック証券

となっています。

ちなみに、この中で③の後期型の証券会社には、ある特徴があります。

それは、抽選スケジュールが遅い分、抽選の前に購入申込を行うということです。

そのため、後期型の場合は抽選に参加するということと購入することは同じ意味合いになります。

つまり、購入することが大前提で抽選に参加する、ということになるのです。

ただし、その後期型の証券会社の中でも、資金拘束のタイミングは若干異なっています。

楽天証券、カブドットコム証券、岩井コスモ証券の3社は購入申込の時に資金拘束されます

GMOクリック証券だけは他の3社とタイミングが異なり、抽選を行う際に資金拘束されるのです。

その点で考えると、GMOクリック証券は②とタイミングが一見同じように見えます。

ですが、②は抽選を行ってから購入申込を行います。

一方、GMOクリック証券は購入申込を行ってから抽選を行うため、②とは資金拘束のタイミングが異なるのです。

さて、それでは、実際に補欠当選となったら、何を行えば良いのでしょうか。

次に、このことについて説明します。

IPOの補欠当選になったらすべきこと2つ

IPOの補欠当選になった場合、するべきことが2つあります。

それは、

  • 「初値>公募価格」になるかどうか、まずは考える
  • 資金のことを考える

ということです。

この2つについて、説明します。

すべきこと1:「初値>公募価格」になるかどうか、まずは考えよう

補欠当選したら、まずは、初値が公募価格を上回る結果となるかどうか、という点を考えましょう。

IPOでは、初値が公募価格を上回った際に、それを利益として得る「初値売り」が一般的な手法です。

そのため、初値が公募価格を上回るかどうかという点は、非常に重要です。

購入前にこのことをしっかり判断しなくてはいけません。

初値が公募価格を上回るかどうか、あらかじめ見極めるためには、チェックするべきポイントあります。

そのポイントというのは、

  1. 公募株が売出株よりも多いかどうか。
  2. 市場の規模に吸収金額が合っているかどうか。
  3. 再上場の銘柄ではないか。
  4. 業績は増収増益基調か。
  5. 旬のテーマに沿った事業内容や人気の事業内容か。
  6. 公募価格が仮条件の上限価格を下回っていないか。
  7. 大株主にベンチャーキャピタルがいるかどうか。

の7つです。

このことについては、こちら「【成行注文が基本】IPO投資の初値売りで失敗しないための具体的な手順」に詳細を書いているので、ご覧ください。

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【成行注文が基本】IPO投資の初値売りで失敗しないための具体的な手順

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すべきこと2:資金のことを考える

もう一つのするべきことというのは、購入資金についてです。

純粋な当選とは違い、補欠当選の場合は資金の使い道に選択肢があります

その選択肢について、考えてみましょう。

購入申込をし、繰上当選のチャンスを狙う

まず、補欠当選から繰上当選となるチャンスに期待して、それを狙うために購入申し込みをする方法です。

可能性は低くても、繰上当選となるチャンスを狙うのはどんなケースでしょうか。

それは、初値が公募価格を上回る可能性が高いと判断したIPOです。

先ほど挙げた7つのチェックポイントのほとんどに当てはまるケースが該当します。

この場合、購入申し込みをする時点で資金が拘束されてしまうことになります。

そのため、他にも購入を希望しているIPOがある場合には資金のことを考えなければなりません。

他のIPOに申し込むためにはどのくらいの資金が必要か、きちんと計算しましょう。

そのうえで、購入申込するかどうか判断します。

ちなみに、IPOを申し込む場合の資金の目安についての考え方は、こちらの記事「【資金が多いほど有利】SBIのIPO投資で必要な資金のタイミング・拘束期間の全て」で説明していますので、参考にして下さい。

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【資金が多いほど有利】SBIのIPO投資で必要な資金のタイミング・拘束期間の全て

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購入申込を辞退し、他のIPOにチャレンジする

もう一つは、きっぱりと購入申し込みを辞退して、改めて他のIPOにチャレンジするという方法です。

補欠当選から繰上当選になる可能性は低いです。

そのため、別のIPOの当選を狙った方が良いと判断したのなら、購入申込を辞退しましょう。

この選択をする理由として考えられるのは、他にも魅力的なIPOがある場合がまずは上げられます。

もう一つは、冷静に判断した結果、初値が公募割れとなる可能性が高いIPOで補欠当選した場合です。

その場合、購入申し込みをせず、他に資金を回してしまったほうが良いでしょう。

ただ、ここで注意しておきたいのが、ペナルティです。

補欠当選したにもかかわらず辞退した場合、ペナルティが生じることはないのか念のため確認しましょう。

なぜ「念のため」なのかというと、基本的に補欠当選のキャンセルにはペナルティが発生しないからです。

通常の当選の場合はキャンセルにペナルティを課す証券会社もあります。

それについては、すでに説明した

  • SMBC日興証券
  • 三菱UFJモルガン・スタンレー証券
  • 東洋証券
  • 岡三証券

の4社が該当します。

この中で、補欠当選のキャンセルについて唯一気を付けなくてはいけないのが岡三証券です。

岡三証券は、IPOに申し込む=購入の機会があれば必ず購入する、ということを前提としています。

そのため、たとえ補欠当選であってもキャンセルするとペナルティが課せられるのです。

同社のペナルティはかなり厳しく、無期限で申し込みが禁止されてしまいます

そのため、岡三証券に関しては、キャンセルしない方が良いかもしれません。

購入辞退をしないと資金拘束されたままの証券会社もあるので注意!

事前に資金拘束がある証券会社の中には、補欠当選したまま放置すると資金拘束が継続するところがあります。

そのため、補欠当選した際に「購入を辞退する」という意思表示をする必要があります。

そのまま資金が拘束され続けてしまうと、他のIPOに申し込めません。

また、通常の株の取引にも支障をきたす可能性があります。

そうならないよう、補欠当選のまま放置しないように気を付けましょう。

これに該当する証券会社は、

  • SBI証券
  • マネックス証券
  • 東海東京証券
  • 丸三証券
  • 立花証券

の5社です。

これらの証券会社で補欠当選し、購入を辞退する場合は、きちんと意思表示をしておきましょう。

さて、ここまでIPOの補欠当選について説明してきました。

補欠当選は抽選ありきの話なので、IPOのプライマリー投資を行う際に注意したい点ということになります。

ですが、IPOには、抽選なしのセカンダリー投資もあります

次に、セカンダリー投資について簡単に説明します。

当選や補欠当選を気にせず取引したいなら、セカンダリー投資がおすすめ!

IPO投資の裏技として、セカンダリー投資という投資方法もあります。

これは、上場したばかりのIPO株を購入して、値上がり益を狙うという取引方法のことです。

IPO投資といえば初値売りを行う方法が主流です。

つまり「初値>公募価格」となった際の値上がり益を狙う方法ということになります。

ですが、この方法の最大の欠点は抽選があることです。

抽選に当選しなければ、そもそもこの方法を行うことはできません

一方、セカンダリー投資には抽選がありません

なぜなら、上場後の値動きを狙って取引するからです。

IPO銘柄の中には、初値が付いた後も値上がりしていくものがあります。

セカンダリー投資では、その値動きを狙って投資するのです。

「上場後に取引するなんて、本当に儲かるの?」と疑問に思うかもしれません。

ですが、セカンダリー投資にも、プライマリー投資に負けないくらい値上がり益が狙えるケースがあります。

また、時間が経てば、信用取引も可能であることも、セカンダリー投資の長所です。

また、抽選がないため、購入しなくてもペナルティがありませんし、購入前の資金拘束もありません。

普通の株と同じように誰でも購入でき、大きな値上がり益を狙えるのが、セカンダリー投資のいいところです。

ただし、プライマリー投資とは違い、投資にはある程度の期間を要します。

なお、セカンダリー投資についてはこちらの記事「抽選なしでIPO投資できるセカンダリー投資とは?特徴や具体的な手順の全て」で詳しく説明していますので、参考にして下さい。

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抽選なしでIPO投資できるセカンダリー投資とは?特徴や具体的な手順の全て

株式投資の中でも、IPO投資は投資初心者からベテランまで、多くの投資家に人気があります。 しかし、IPO投資は誰でもできるわけではなく、抽選に参加し、当選しなくてはいけません。 そのため、IPOで投資 ...

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まとめ

IPOにおいて、補欠当選は最後に残されたわずかなチャンスであるのと同時に、扱いに困るものでもあります。

証券会社によっては落選を意味する場合もあるなど、会社によって取扱いは様々です。

いずれにせよ、補欠当選から繰上当選になるケースというのはごくわずかです。

その可能性にかけるだけの意味がある銘柄かどうか、よく吟味しましょう。

そして、そのうえでどう扱うか判断しましょう。

わずかな可能性にかけるよりは、他のIPOを狙った方が良いかもしれません。

あるいは、セカンダリー投資にシフトした方が良い可能性もあります。

また、IPOではなく、通常の株式投資を行った方が良い場合もあるでしょう。

いずれにせよ、株式投資で利益を出したいなら、投資の機会が多い方が良いのです。

補欠当選からの繰上当選を狙うことは悪いことではありません。

ですが、待っている間の時間的な損失があることを忘れないようにしましょう。

その上で、やはり繰上当選に賭けたいというのであれば、当選することを祈るのみです。

仮に落選してしまったら、気持ちを切り替えて、次にどうするかを考えましょう。

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