株式投資(全般)

【初心者のための株の買い方】プロが教える実践的な手順と基礎知識の全て

株式投資をはじめよう!と思ったとき

「株ってどこで買えるの?」

「資産が増える買い方はあるの?」

「株の注文方法って何?どんな種類があってどれがおすすめ?」

と、買い方について悩んでしまいませんか?

筆者はファンド業務に携わって何年にもなり、数億円単位の資金で株の売買を行っています。

取引が終わってみると「ここで買っておけばよかった」と思うことはあります。

ですが、相場が動いている最中は、ベストタイミングがいつなのか、誰にも分かりません。

つまり株の買い方と売り方が株式投資を行うポイントになります。

買い方で言えばどの株をどのタイミングで購入するかが重要になります。

ベストタイミングで買うことがほとんど不可能である以上、買い方には工夫が必要なのです。

これができなければ他の投資家に負けるだけです。

今回は、筆者が実践的な株の買い方のついて説明します。

また、必要な知識についても併せて説明します。

「株式投資で絶対せいこうさせてやる!」と思っている方は必ず一読してください。

Contents

【準備編】株購入に必要な知識と準備

実際に株を購入する前に、必要となる知識があります。

まずは、株を購入するための基本的な知識について覚えておきましょう。

また、事前の準備も大切なので、その点についても解説します。

株は証券会社で購入する

株を購入する際は、証券会社から購入することになります。

株は、会社が発行するものですが、会社から直接買うわけではありません。

どこで買うのかというと、証券取引所という株の取引所で買うことになります。

しかし、そこには誰でも参加できるわけではありません。

許可を受けた業者のみが参加できるのです。

そのため、一般の投資家が株を購入するには、証券会社を通じて購入する必要があります。

証券会社から株を購入するには、まず証券会社で証券口座を開設します。

その口座を通じて、証券会社に株の注文を出すのです。

証券口座からは、株の購入に必要な代金が引き落とされます。

また、株を売った際の代金も入金されます。

購入した株は、その証券口座に紐づけられたものとなるのです。

そのため、まずは口座を開設しなくては株を購入することができません。

それでは次に、株の取引に利用する証券会社について説明します。

証券会社は2つ。初心者はネット証券を利用しよう

先に結論をいってしまうと、

初心者にはネット証券がおすすめです。

なぜなら、手数料に大きな違いがあるからです。

証券会社には、大きく分けて

  • ネット証券
  • 総合証券

の2つがあります。

ネット証券というのは、店舗がないインターネット上で取引を行う証券会社です。

総合証券は、店舗を持っている証券会社で、老舗の証券会社はこちらが多いでしょう。

ネット証券の大きなメリットは、手数料が安いという点です。

株の売買には、取引手数料がかかります。

この金額は、取引される株の約定代金によって異なります。

ネット証券の場合は、この手数料が非常に安いという点が一番のメリットです。

証券会社は、証券取引所へと顧客の注文を取り次ぐのが仕事です。

株価の変動によって、利益を得るわけではありません。

この手数料が、証券会社の主な収入源となります。

ネット証券の場合は、店舗がないので最小限の経費しかかかりません。

しかし、総合証券の場合は店舗があり、従業員の数も多くなるので、その分手数料が高くなってしまうのです。

手数料だけ見れば、総合証券はネット証券に負けています。

ですが、総合証券にはネット証券にはないメリットもあるのです。

例えば、総合証券ならではのメリットとして、専任のアドバイザーが付くという点が挙げられます。

顧客に担当者がつき、投資に関するアドバイスをしてくれるので、初心者には非常に心強いサービスです。

ただし、手数料分がペイされる状態まで利益が出るのを待たなければならず、そうなるには時間がかかります。

また、担当者から、他の投資商品をすすめられることもあります。

自分にとって本当に有用かどうか、自分で見極められないうちは総合証券を利用しない方がいいでしょう。

とはいえ、総合証券の場合はサポートも充実していますので、運用する資産が多い場合は総合証券を利用することも考えてもいいでしょう。

しかし、筆者はやはり、初心者にはネット証券の方をおすすめします。

このように、ネット証券と総合証券には手数料に大きな違いがあります。

ネット証券にするのか、総合証券にするのか決めたら、いよいよ株の購入について考えましょう。

その際、どのようなことを決めるのか、ということを次に説明します。

株購入の目的を決める

株購入の目的は、利益を得ることでしょう。

しかし、その利益を得る方法は一つだけではありませ

株を購入する目的には主に、

  • 配当(インカムゲイン)のため
  • 株主優待のため
  • 値上がり益(キャピタルゲイン)のため
  • IPO投資のため
  • NISAのため

という5つがあります。

どのような利益を目的として株を購入するのか、その点を決めておきましょう。

それでは、それぞれについて説明します。

目的1:配当(インカムゲイン)のため

株を保有することで、その企業の株主となります。

株主は、企業の権利をその株数分だけ持っていることになります。

そのため、企業が得た利益についても、株主へと分配されることになるのです。

この分配される利益のことを配当といいます。

また、配当のように、株を持っていることで得られる利益のことを、インカムゲインというのです。

このインカムゲインを目的として株を購入するのであれば、長期的に保有するケースが多いでしょう。

金額はそれほど大きくなりませんが、比較的安定的に利益を得ることができます。

目的2:株主優待のため

企業の中には、株主優待を配布するところもあります。

株主優待では、その企業の製品や商品券、あるいはクオカードなどの金券を配布するのが一般的です。

中には、工場を見学する権利を優待内容としているところもあります。

この株主優待も、配当と同じくインカムゲインに該当します。

株主優待については、その価値も重要です。

ただし、それ以外にも自分にとって重要かどうかも考えましょう。

高価なものをもらえるとしても、使うことがなければ無用の長物になってしまいます。

目的3:値上がり益(キャピタルゲイン)のため

株を購入することで得る利益として、最も一般的なイメージは値上がり益でしょう。

この値上がり益のことは、キャピタルゲインといいます。

株は、安く買って高く売るのが基本といわれています。

なお、空売りの場合は、高く買って安く買い戻すのが基本です。

そうすることで、差額が利益となるのです。

ただし、配当などと違って株価が下がってしまった場合は、利益を得ることはできません。

それどころか、マイナスとなってしまうのです。

値上がり益を目的とした場合は、その利益も大きくなることが多いでしょう。

しかし、その分リスクも高くなるので注意しましょう。

目的4:IPO投資のため

最近注目する人が増えているのが、IPO投資です。

これは、新規公開株ともいいます。

これまで証券取引所で株が取引されていなかった企業が、新規上場する際に行われます。

この場合は、証券会社を通じて上場前に企業から株を買います。

そして、上場後にその株を売るのです。

上場前に購入する時の価格を、公募価格といいます。

IPOが人気なのは、上場後の価格である初値が、公募価格を上回るケースが非常に多いからです。

2018年のIPOでは、95件中80件が公募価格を上回りました。

買ってから、上場後にすぐ売るだけで利益が出るため、シンプルでわかりやすく、人気なのです。

ただし、IPOで売られる株数には限りがあります。

そのため、購入する権利は抽選で決定するのが一般的です。

ただし、抽選に落ちた場合でも、上場後すぐに投資するセカンダリー投資のチャンスはあります。

この場合は、また違った売買のコツがあります。

なお、IPO投資については、こちら「【初心者でも勝てる】IPO投資とは?意味や仕組み、メリット・デメリットを解説」の記事で詳しく説明しています。

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また、セカンダリー投資については、こちら「抽選なしでIPO投資できるセカンダリー投資とは?特徴や具体的な手順の全て」の記事で詳しく説明しています。

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IPO投資やセカンダリー投資にチャレンジする前に、ぜひ一度読んでおくことをおすすめします。

ちなみに、IPO投資で得られる利益も値上がり益なので、これもキャピタルゲインに該当します。

目的5:NISAのため

株の投資には、NISAという制度があります。

これは、少額非課税投資制度というもので、専用の口座が必要になります。

その口座から取引した場合は、一定の投資金額で得た利益を一定期間中は非課税にするというものです。

株の利益には、20.315%の税金がかかります。

それが非課税となるので、よりお得に利益を得ることができます。

NISAのうち、基本的なものは年間120万円までの投資分が非課税になります。

5年が有効期限なので、合計600万円の投資金額による利益が非課税になるのです。

その対象は、キャピタルゲインだけではなく配当などのインカムゲインも含まれます。

他にもつみたてNISAやジュニアNISAなどがあり、それぞれ投資できる金額や非課税になる期間などが異なります。

自分の投資スタイルを考えて、どの口座がいいかを決めましょう。

なお、NISAやつみたてNISAについては、こちら「【プロが教える株の始め方】株式投資で得するための6つの投資方法と基礎知識」の記事でより詳しい内容を説明しています。

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NISAに興味がある場合は、ぜひ一読してください。

ここまで、株の購入の目的について説明しました。

次に、株を取引する上で欠かせない証券会社のうち、おすすめのネット証券を紹介します。

初心者におすすめな3つのネット証券会社

ネット証券に限っても、証券会社はたくさんあります。

それぞれに特色があるのですが、その中でも初心者におすすめの証券会社を紹介します。

おすすめ1:SBI証券

ネット証券の中でも、口座開設数が最も多いのがSBI証券です。

その魅力は、取り扱っている投資商品の種類が非常に多い、という点です。

投資商品は、国内株以外にも色々とあります。

外国株やFX、商品先物取引、債券、貴金属などをはじめ、他にも数多いのです。

証券会社では、それぞれどの投資商品を扱っているかが異なっています。

その中でも、SBI証券ではほぼすべての投資商品を扱っているのです。

また、外国株の取り扱いについても、米国株や中国株だけではなく、合計9カ国の株に投資できます

国内株も、単元未満株を取り扱っています。

単元未満株は、通常は100株単位での投資となる株を、1株単位で投資できるというものです。

これを使うと、株価が高い銘柄にも投資が可能となるのです。

IPOの取扱が豊富な点も、SBI証券の大きな魅力です。

ネット証券の中でも、SBI証券は断トツのIPO取扱数を誇っています。

IPOは、証券会社によって取り扱うかどうかが大きく異なります。

IPOに参加したいなら、SBI証券を利用するべきでしょう。

取引手数料も業界最安水準となっているので、手数料の面も安心です。

ただし、全ての商品が最安ではない点だけは注意してください。

SBI証券に口座を開設すると、よほどのことがない限りは不足がありません。

どのような目的であっても、とりあえず申し込んでおいて損はないでしょう。

>SBI証券の口座開設はこちら

おすすめ2:楽天証券

証券会社にこれまで興味がなかったという人にも、高い知名度を誇っているのが楽天証券です。

楽天という名前を聞いたことがない、という人はごくわずかでしょう。

その名前の通り、楽天市場や楽天ゴールデンイーグルスなどで知られている楽天グループです。

楽天証券の強みは、楽天グループと提携したサービスです。

楽天スーパーポイントを、投資に使うこともできます。

また、楽天銀行の口座があれば、普通預金の金利が通常よりもかなり高くなりますし、楽天銀行の口座からいちいち楽天証券の口座に資金を異動する必要がありません。

銀行口座から、直接投資する資金を引き出すことができるのです。

楽天グループのサービスは幅広いので、何かを利用している人も多いでしょう。

そのような人には、おすすめの証券会社です。

しかし、楽天のサービスを何も利用していない人にとっては、あまりメリットがないかもしれません。

>楽天証券の口座開設はこちら

おすすめ3:マネックス証券

ネット証券の中でも、特に米国株の取り扱いが多い証券会社が、マネックス証券です。

米国株式市場に上場している、ほぼすべての株に投資することができます。

米国株には、AppleやFacebookなど、世界的に有名な企業も多数あります。

興味がある方も多いのではないでしょうか。

また、国内株についてもワン株という、単元未満株を取り扱っています。

投資初心者には、セミナーを定期的に開催しています。

さらに、投資情報なども分かりやすい分析がされているので、おすすめです。

IPOについても、ネット証券の中では取扱実績が多く、抽選は完全平等抽選で行われます。

初めての参加でも、当選確率は平等になるのです。

IPOだけ参加する場合でも、ぜひ利用したい証券会社です。

ただし、手数料についてはあまり安いとはいえません。

極端に高いわけでもないのですが、頻繁に売買を繰り返すのであれば気を付けた方がいいでしょう。

>マネックス証券の口座開設はこちら

ここまでおすすめのネット証券を紹介しました。

次はいよいよ、株の買い方についての説明です。

具体的な手順と注文方法について説明しますので、しっかり覚えましょう。

【手順編】株の買い方と具体的な手順

株の注文方法は、1つだけではありません。

また、注文方法によって手順が異なる場合もあります。

主な注文方法や、具体的な注文の手順について解説します。

株の買い注文は主に2つ!

株を買うための注文方法には、いくつかの種類があります。

どの注文方法が利用できるのかは、証券会社によっても異なるでしょう。

その中で、主に使われる注文方法は

  • 指値注文
  • 成行注文

の2つです。

この2つは、どの証券会社でも共通している注文方法です。

そのため、この2つだけはとりあえず覚えてきましょう。

2つの注文方法について、詳しく解説していきます。

指値注文

指値注文というのは、売買する値段を指定して行う注文方法のことです。

株価として表示されている価格は、その価格で売買できるということを示したものではありません。

その前に成立した取引の取引価格がいくらだったのかを示しているのです。

価格を指定しないまま注文すると、想定しない金額で約定する可能性があります。

そのため、例えば株価が1,300円だったとしても、その価格で買えるとは限りません。

売り手が1,350円以上でしか提示していない場合は、1,350円で買うことになってしまうのです。

それを防ぐ為に、あらかじめ価格を指定しておくのが、指値注文です。

1,300円として提示しておけば、その価格以下で買える状態になったときに約定されます。

1,300円以下を提示した売り手、もしくは価格を提示していない売り手が現れると、買うことができるのです。

指値注文を利用する事で、思わぬ高値で買うような事態を防ぐことができます。

ただし、売り手や買い手の状況によっては、約定するまでに時間がかかる場合もあります。

成行注文

成行注文というのは、価格を指定せずに買う注文方法の事です。

基本的には、株をいくらで売りたい、と価格を提示している中から、最も安い株価で買うことになります。

自分からは条件を提示せず、言い値で買うということです。

上記の例でいうと、1,350円が最安の売り値であればその価格で買うことになります。

成行注文は約定優先の注文となります。

そのため、なるべく早く買いたい時に使われます。

ただし、時には思わぬ高値で買うことになるかもしれないので、気配値をしっかりと見てから注文しましょう。

指値注文と成行注文という、株取引の基本となる注文方法についてそれぞれ説明しました。

それでは次に、それぞれの注文をどのような時に使うのかを説明します。

指値注文はどんな時に使う?

「この価格以下で買います」という指値注文は、どのような時に使うべきなのでしょうか?

結論からいうと、

  • 始値で買いたい時
  • 買いたい価格が決まっている時
  • 値動きの激しくない銘柄を取引する時

に、指値注文を使います。

その具体的なシチュエーションについて、考えてみましょう。

始値で買いたい時

始値で買いたい時には、指値注文を使うと良いでしょう。

ですが、「始値がいくらになるか分からないのに、できるの?」と疑問を感じる人もいるでしょう。

その疑問もごもっともです。

この方法は、確実に約定するわけではありません。

ですが、その銘柄がどの程度の変動をしそうか、予測がつく時に使うと有効です。

実は筆者はこの方法をよく使います。

例えば、前日の取引終了後に何かポジティブなニュースの出た銘柄があるとします。

恐らくその銘柄を買おうという投資家が翌日には増えるでしょう。

つまり、値上がりが予想できるわけです。

その値上がりが一時的なものでなく、長期に渡ると考えられるなら、買い場が到来したと言えます。

そんな時は、始値での購入を狙っていきます。

始値で買う時に参考にするのは、前日の終値です。

例えば前日の終値が500円となっている銘柄があったとします。

その際に考えたいのが、その銘柄のβ値です。

β値とは、市場平均に対するその銘柄の感応度のことを言います。

つまり、日経平均やTOPIXと比べてどの程度の値動きなのか、ということです。

筆者はTOPIXの方をベースに考えます。

というのも、計算の基となる銘柄数に違いがあるからです。

日経平均株価は225銘柄を基に算出されます。

一方、TOPIXは、東証一部上場の全銘柄を基に算出します。

そのため、算出の根拠となる銘柄数の多いTOPIXの方で考えるのです。

TOPIXを基準にした場合、このβ値が1の場合はTOPIXと同じ動きをすることになります。

つまり、TOPIXが1%値上がりすれば、その銘柄も1%値上がりする、ということです。

もしもβ値が2であれば、TOPIXが1%値上がりすれば、その銘柄は2%値上がりすることになります。

つまり、TOPIXよりも2倍も荒い値動きをする銘柄である、ということです。

反対に、β値が-1であれば、TOPIXが1%値上がりした時にその銘柄は1%値下がりすることになります。

この銘柄のβ値が1以上かつ四捨五入して1になる場合、前日の終値から3%上の価格を指値で入れます。

つまり、先ほどの例の場合は515円を指値で入れておくわけです。

そしてマーケットが始まった時、始値が515円以下に収まれば、その価格で約定します。

ただし、すでに書いたとおりこの方法は約定しないケースもあります。

例えば、想定以上にその銘柄への人気が集中した場合です。

そのような時は、取引開始前から板がよく動き、自分が入れた指値よりも上の価格に買い注文が集中します。

指値を引き上げてもその銘柄が長期的に上昇する見込みがあれば、さらに上の価格で指値を入れることも出来ます。

ですが、基本的には、3%で入れた指値を変えないことの方が筆者の場合は多いです。

その結果、始値が前日の終値から5%、6%など3%を大幅に上回ってしまうこともあります。

ですが、好材料が出たその日は大幅に値上がりしても、その後は下落することもあるので問題ありません。

その場合、一時的な上昇が一服し、少し下がった時に買いなおします。

下手に高い価格で買うよりも、3%上と決めたらその価格を購入価格の上限としてしまった方が良いでしょう。

なお、β値に対し、どの程度上の指値を入れるのかは、人それぞれです。

ここでは筆者がよく行う例を挙げましたが、自分なりの基準を設けても構いません。

また、β値は、ロイターのβ値が対TOPIXのβ値となっているようです。

他にも、msnマネーでも参照することができます。

買いたい価格が決まっている時

株価は一定ではありません。

今の株価より上がることもあれば、下がることもあります。

今の株価が少し高いため、もう少し下がったら買ってもいいかも、と思うこともあるでしょう。

その場合、指値注文で希望する株価の注文をしておきましょう。

そうすれば、買えるようになったタイミングを逃しません。

例えば、今の株価が2,000円で、これが1,800円になった時にその銘柄を買いたいとします。

その場合、1,800円に下がるまでずっと見ていることもできます。

しかし、それがいつになるかは分かりません。

購入希望価格が決まっているなら、指値注文で発注しておくのが良いでしょう。

わざわざ相場に張り付く必要はなく、他のことに時間を使えます。

買い時を逃さず、かつ、時間を有効利用するためにも、指値注文を活用しましょう。

値動きが激しくない銘柄は指値注文が基本

値動きが激しい銘柄は、目まぐるしく株価が変動します。

「買おう」と思った時にすぐに株価が動き、買いのタイミングを逃してしまうかもしれません。

そんな時に指値注文を使っても、すぐに株価が見合わないものになり、なかなか約定しないでしょう。

そのため、このような銘柄には指値注文は合いません。

値動きが激しくない銘柄を取引する場合に、指値注文を使いましょう。

値動きが激しくない銘柄は、買ったとしても、そこから目まぐるしく株価が上下することはありません。

株価が上がる場合も下がる場合も比較的ゆっくりしています。

そのため、慌てて買う必要はなく、指値注文を入れて待っておけば良いでしょう。

いずれ株価が下がったタイミングで買うことができます。

特に中・長期投資の場合、買うのが数日遅れてもそれ程気にすることはありません。

よほど急いで買わないといけない場合は別ですが、基本的には指値注文をしましょう。

ここまで指値注文を使う時について説明しました。

それでは、指値注文をどのように発注するのか、ということを次に説明したいと思います。

具体的な手順(SBI証券編)

それでは、指値注文の具体的な手順をSBI証券の取引ツール「HYPER SBI」を基に説明します。

①「HYPER SBI」を起動する

「HYPER SBI」を起動したら、画面左上部の「銘柄/コード」に買いたい銘柄の銘柄コード(銘柄名でも可)を入力し、株価ボタンを押す。

②購入株数と希望購入価格を入力する

買いたい銘柄の板と発注画面が表示される。

新規注文タブの中には発注画面が2つあり、左側が売注文、右側買い注文となる。

買注文を行うので、右側の方をクリックすると、発注画面右側が赤色になる(売注文の場合は緑色になる)。

赤色になったことを確認したら、「指値」ボタンをクリックし、購入株数と希望購入価格を入力する。

③購入株数と希望購入価格を入力したら、「買確認」ボタンをクリックする。
④注文の確認と発注

注文確認画面が表示されるので、表示された注文内容を確認する。

内容に問題がなければ、「取引パスワード」と「注文発注」ボタンをクリックすると、注文が発注される。

ここまで、SBI証券の「HYPER SBI」を例に、指値注文の具体的な発注方法を説明しました。

それでは次に、成行注文について説明します。

成行注文はどんな時に使う?

成行注文のメリットは、スピードです。

価格に特にこだわりがなく、とにかく早く約定させたい場合はこちらを使いましょう。

成行注文は、売りたいという人がいる限りはすぐに約定することができます。

このように、成行注文は指値注文に比べていち早く約定することができるのがメリットです。

それでは、どのような時に成行注文を使うのでしょうか?

成行注文を使うケースは主に3つあります。

それは、

  • 相場の急変時
  • IPOの初値売り
  • 値動きの荒い銘柄・乏しい銘柄

です。

それぞれについて説明します。

相場の急変時

相場の急変時は、多くの投資家が急いで売買をします。

その中で、のんびりと指値注文を出してもなかなか約定しません。

気が付いたら、売買する人が減り、相場は停滞へと移行していることも多いでしょう。

株価が急上昇した時は、大きな利益を得るチャンスです。

急いで買いたいときは、多少不利な条件になったとしても気にせず成行注文で買いましょう。

上昇が一服するころには、買った時よりもさらに株価が上がっていることも多いでしょう。

また、株価が急落した時に株を手放す際も、やはり成行注文で売りましょう。

相場が下がれば下がるほど、利益は減り損失は大きくなります。

価格にこだわるよりも、素早く売ってしまった方が損失は少なくなるのです。

IPOの初値売り

IPOで購入した株は、公募価格で買うことになります。

しかし、公募価格は上場後に付けられる株価とはまた別なので、初値がいくらになるのか分かりません。

そのため、IPOの初値売りをするのであれば、成行注文で発注する必要があります。

そうしておけば、上場後に初値が付いた時、その価格で売ることができるのです。

ただし、IPOの初値売りは必ずプラスになるとは限りません。

公募価格を下回る場合もあるので、気を付けましょう。

なお、IPOの初値売りについては、こちら「【成行注文が基本】IPO投資の初値売りで失敗しないための具体的な手順」の記事で詳しく説明しています。

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【成行注文が基本】IPO投資の初値売りで失敗しないための具体的な手順

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値動きの荒い銘柄・乏しい銘柄は成行注文を使う

値動きが荒い銘柄は、すぐに株価が変動してしまいます。

そのため、指値注文だといつまで経っても約定しないことがあります。

また、値動きが乏しい銘柄の場合も、指値の価格になるまでかなり時間がかかることがあります。

このような銘柄を注文する際は、成行注文を使いましょう。

ただし、注意することもあります。

例えば、値動きが乏しい銘柄だと、その時の株価よりも大幅に上回る価格で約定する可能性があります。

なぜなら、取引する人が少ないため、買いたい価格が飛び飛びになっていることが多いからです。

一方、値動きが激しい銘柄は、株価が上昇しているタイミングを避けて注文した方が良いでしょう。

値動きが激しいせいで、わずかな時間で大幅な株価の上昇が起こります。

値幅制限があるとはいえ、予想以上の高値になる可能性もあるわけです。

そのため、上昇中に慌てて注文すると、発注時よりもさらに上の価格で約定してしまうかもしれません。

そうなると、得られる利益が想定以上に減ってしまいます。

少し待っていれば、株価が下落するケースも多いので、その時に注文すると良いでしょう。

なお、長い上昇トレンドが続く場合は、話は別です。

なぜなら、少し高く買っても、さらに上がる可能性が高いからです。

この場合は、迷わず成行注文で発注しても構いません。

ここまで成行注文を使う時について説明しました。

それでは、成行注文をどのように発注するのか、ということを次に説明したいと思います。

具体的な手順(SBI証券編)

それでは、指値注文の具体的な手順をSBI証券の取引ツール「HYPER SBI」を基に説明します。

①「HYPER SBI」を起動する

「HYPER SBI」を起動したら、画面左上部の「銘柄/コード」に買いたい銘柄の銘柄コード(銘柄名でも可)を入力し、株価ボタンを押す。

②成行ボタンのクリック

買いたい銘柄の板と発注画面が表示される。

新規注文タブの中には発注画面が2つあり、左側が売注文、右側買い注文となる。

買注文を行うので、右側の方をクリックすると、発注画面右側が赤色になる(売注文の場合は緑色になる)。

赤色になったことを確認したら、「成行」ボタンをクリックする。

③購入株数を入力したら、「買確認」ボタンをクリックする。
④注文の確認と発注

注文確認画面が表示されるので、表示された注文内容を確認する。

内容に問題がなければ、「取引パスワード」と「注文発注」ボタンをクリックすると、注文が発注される。

ここまで、SBI証券の「HYPER SBI」を例に、成行注文の具体的な発注方法を説明しました。

指値注文と成行注文が株の基本的な注文方法ですが、実は他にも様々な注文方法があります。

次はそのことについて説明します。

コラム:株の買い方は他にもある

すでに説明したとおり、株の主な注文方法は指値注文と成行注文の2つです。

ですが、実は他にも色々な買い方があります。

ただし、証券会社によってそれぞれの注文方法が利用できるかどうかは異なります。

また、証券会社独自の注文方法もあります。

例えば、OCO注文やIFD注文、IFO注文などの注文方法が特殊注文として挙げられます。

これらの注文方法が使える証券会社の中には、別の名称で使っていることもあります。

例えば、OCO注文は、株の場合はW指値やツイン指値などの名称になっていることがあります。

また、IFD注文も、往復注文やUターン注文などの名称になっていることがあります。

それに加え、すでに書いたとおり、証券会社のオリジナルの注文方法もあります。

例としては、岡三オンライン証券のトリガートレール注文があります。

これらの特殊注文は、証券会社によって利用できるかどうかが異なっています。

ある証券会社で使えても、別の証券会社では同じような注文方法が無い、ということもあるのです。

特殊注文には非常に便利なものもあります。

証券会社によってどんな注文方法があるのか、あらかじめ確認しておくと良いでしょう。

様々な特殊注文がありますが、その中でもメジャーな逆指値注文について次に説明します。

逆指値注文とは、どのような注文方法なのでしょうか?

逆指値注文について 

逆指値注文は、自分にとって不利方向の注文です。

つまり、現在の株価よりも高い価格を指定して買うか、現在の株価よりも安い価格で売る注文方法です。

どんな時に使われるのか、という点も合わせて解説します。

逆指値注文は、損切りの際によく使われます。

最初に許容する損失幅を決めて、それ以上に株価が下落したら売ってしまう、という方法です。

また、利益確定の際に使われることもあります。

特に、相場の動きがどちらに動くか分からない時などに使われることが多いでしょう。

例えば、1,000円で買った株が1,500円まで上がったとします。

この後、それ以上に株価が上がるのか、それともそこから下落するのか判断に迷う場合、どうしますか?

上がる分には良いのですが、下がって利益が無くなるともったいないですよね。

そんな時に、1,400円で逆指値注文を出しておくのです。

そうすれば、株価が下がって1,400円になったら利益を確定させるために売る注文が発注されます。

逆指値注文は、その名前から指値注文の反対の注文と思われがちです。

しかし、実際には少々異なります。

逆指値で指定した金額は、あくまでも注文を出すトリガーでしかありません。

FXの場合は、逆指値注文が発動した場合は成行注文で発注されます。

というのも、基本的には損切りのための注文だからです。

損失拡大を防ぐために、成行注文で発注されるのです。

株の場合もFX同様、逆指値注文は発動した時に成行注文になる証券会社はあります。

ですが、そこからさらに、成行注文か指値注文かを選ぶことができる証券会社もあるのです。

例えばマネックス証券大和証券がそうです。

マネックス証券では、米国株の取引で、逆指値価格に達した際に指値と成行のどちらで発注するか選べます。

大和証券も、逆指値価格に達した際の発注を、指値と成行のどちらにするか選べるのです。

成行注文か指値注文か選べるケースについて少し説明します。

先程の例で言うと、1,400円になった時点で売り注文が発注されます。

その注文内容が成行注文ならすぐに売られて終わります。

しかし、そこからさらに、1,350円の指値で売り注文を出す、ということもできるわけです。

成行注文の場合は想定以上に不利な条件で約定する可能性があります。

ですが、指値注文であれば、価格を指定できる分、不利な条件を緩和できます。

ただし、約定するかどうかが分からないデメリットもある、ということを肝に銘じましょう。

このように、逆指値注文は、自分が想定した以上の損をしないために使われます。

使い方によってはとても便利な注文方法です。

相場に慣れてきたら、ぜひ使ってみましょう。

ここまで、様々な注文方法について説明しました。

それでは次に、株の購入選びや買うタイミングについて説明します。

【知識編】株購入の銘柄選び・タイミングを見極めよう

株を購入する際には、銘柄選びが重要です

また、買うタイミングによってその後の利益も大きく変わってきます。

株を購入する際の銘柄選びや、タイミングの見極め方について解説します。

最初に、銘柄選びのコツについて説明します。

株選びの(銘柄選び)のコツ

銘柄選びは難しいように思うかもしれません。

ですが、実は意外に簡単です。

銘柄選びには、

  • 自分にとって身近な銘柄かどうか
  • 証券会社のスクリーニング機能を使って探す
  • ファンダメンタルズ分析を利用し、PERやPBRなどの投資指標が割安水準にあったら買う

の3つのコツがあります。

それぞれについて説明します。

自分にとって身近な銘柄かどうか

まず大切なのは、その銘柄が自分にとって身近な銘柄かどうか、という点です。

なるべく身近な銘柄を選びましょう。

なぜなら、その方が関係する情報を理解しやすくなるからです。

例えば、自分の仕事に関係する銘柄を選びます。

そうすると、ニュースの中でその会社の業績に関係することが分かりやすいでしょう。

一見すると関係のない情報をいち早く察することができれば、人気が出る前にその銘柄を買うことができます。

また、自分がよく知っているお店を運営する企業の銘柄もおすすめです。

そのお店の売上が好調なら、企業の業績も好調になると分かりやすいでしょう。

自分が住む地域にはないチェーン店を運営する企業の銘柄だと、実際に目にすることができません。

それでは、実際の売上が実感できないでしょう。

自分の身近な銘柄を選ぶと、必然的に関係のある情報を得やすくなります。

いち早く情報を得ることができれば、株価が上がる前に察知することができるなど、有利になるのです。

よく分からない業界の銘柄ではなく、よく知っている分野の銘柄を選ぶようにしましょう

証券会社のスクリーニング機能を使って探す。

証券会社の中には、スクリーニング機能を提供している所もあります。

これを使うと、様々な条件を指定してそれに合致する銘柄を絞り込むことができるのです。

基本的に、口座を開設していれば無料で利用できるので、利用してみましょう。

代表的なスクリーニング機能としては、マネックス証券の「チャートフォリオ」、カブドットコム証券の「kabuカルテⓇ」「kabuスコープⓇ」、SBI証券のスクリーニングの「クオンツ機能」「チャート形状銘柄検索」などがあります。

それぞれ、異なる特色を持っています。

マネックス証券の「チャートフォリオ」は、チャート形状検索ができます。

25種類のチャートの形に合致する銘柄を探して、表示することができるのです。

また、分かりやすい業種やテーマでの分類に応じた銘柄も探すことができます。

身近な銘柄を探しやすいので、非常に分かりやすいでしょう。

カブドットコム証券では、2種類のスクリーニング機能があります。

「kabuカルテ」は、銘柄検索をするとそれに適したテクニカル指標を教えてもらうことができます。

テクニカル指標には多くの種類があり、どれを使うか悩む人も多いでしょう。

この機能を使うと、その悩みを解消することができるのです。

「kabuスコープ」は、売買シミュレーションによってパフォーマンスが高い銘柄を抽出するものです。

この機能単体でも便利ですが、他のツールと組み合わせることでさらに高い効果を発揮します。

SBI証券でも、2つのスクリーニング機能を提供しています。

「クオンツ機能」では、個別銘柄に対するクオンツ・リサーチ社の採点スコアを見ることができます。

6項目に対して、10段階で評価されていて、総合スコアもつけられています。

「チャート形状銘柄検索」は、マネックス証券のチャートフォリオと同様の機能を持っています。

このように、スクリーニング機能といっても証券会社ごとに色々な違いがあります。

条件の項目なども異なるので、どのような条件を指定できるのか確認してみましょう。

ファンダメンタルズ分析を利用し、PERやPBRなどの投資指標が割安水準にあったら買う

企業の財務状況や業績から、企業の本質的な価値を分析する方法をファンダメンタルズ分析といいます。

その中に含まれる指標として、PERやPBRというものがあります。

PERは、企業の収益から株が割安かどうかを測る指標です。

PBRは、企業の持つ純資産から株価が割安かどうかを測る指標のことです。

これらを使って、割安な銘柄を探しましょう。

例えば、PERは10倍以下であれば割安といわれます。

現在PERが10倍以下の株は、今後12倍から15倍になる、つまりは株価が上がると考えられます。

そうなる前に買っておくことで、将来的に株価が高くなって値上がり益を得られるのです。

分かりやすい指標として人気があるPERやPBRですが、確実に値上がりするとは限りません。

例えば、そもそもPERが低い業種もあります。

また、万年赤字でいつまでたってもPERが割安のままとなっている銘柄もあるのです。

一つの目安にはなりますが、それ以外の点でも確認してから実際に買うようにしましょう。

ここまで銘柄選びのコツについて説明しました。

それでは次に、株を買うタイミングの見極め方について説明します。

チャート分析で見極める

株を買うタイミングを見極めるのに役立つのが、株価チャートです。

株価チャートからは、多くの情報を読み取ることができます。

しかし、それを分かりやすくするには様々なテクニカル指標を使って、チャート分析を行う必要があります。

チャート分析の中でも、特に代表的なものやその基準を解説していきます。

今回紹介するのは、

  • RSIが30を下回ったら買う
  • MACDがシグナルを下から上に抜けたら買う
  • グランビルの法則で買いタイミングを見極める
  • 株価が25日移動平均線から2~3%乖離したら買う

の4つです。

いずれもメジャーな方法で、これらを基に売買タイミングを見極めている投資家は数多くいます。

しっかり理解して、実際の取引に役立てましょう。

RSIが30を下回ったら買う

RSIという指標は、その銘柄の上昇変動と下落変動の勢いを測る指標です。

50%を中心として、70%以上だと買われ過ぎを示し、30%以下だと売られ過ぎを示します。

売られ過ぎになると、その後は買いが増えて株価が上がることが予測されます。

そのため、RSIが30以下の場合は買い時と判断できます。

MACDがシグナルを下から上に抜けたら買う

MACDは、2本の移動平均線を組み合わせた指標です。

MACDには、MACD線とシグナル線の2つの線があります。

この2つの線を組み合わせて、相場の判断をするのです。

MACDでは、MACD線がシグナル線を下から上へと抜いた時は、株価が上昇トレンドに入ったことを示します。

これをゴールデンクロスと言います。

このゴールデンクロスが起きた時は、買い時であると判断できます。

グランビルの法則で買いタイミングを見極める

8つのチャートパターンを組み合わせた、グランビルの法則というものがあります。

金融記者のジョセフ・E・グランビルが考案し、移動平均線を使うチャートの基本として広く知られています。

グランビルの法則では、移動平均線とローソク足を使い、売買ポイントを判断します。

それにより、移動平均線と価格の位置関係から判断するのです。

なお、グランビルの法則では、買いと売りのパターンを示すチャートを、それぞれ4つずつ挙げています。

そのうち、買いのポイントとなるのは、

  • 下落または横ばいの移動平均線が上昇に転じ、株価が移動平均線を下から上へ突き抜けた時。
  • 上向きの移動平均線を株価が一時的に上から下に突き抜けた時。
  • 上向きの移動平均線に向かって株価が下落したものの、移動平均線を割り込むことなく再び上昇した時。
  • 下向きの移動平均線から株価が大きく乖離して下落した時。

の4つです。

この4つに当てはまる状態が到来した時に、株を買うタイミングであると判断します。

株価が25日移動平均線から乖離したら買う

25日移動平均線から株価が乖離したときは、買い時を示します。

株価が上昇している時に、25日移動平均線から乖離することがあります。

それは、トレンドの転換を示すものとして扱われます。

しかし、その乖離率が例えば1%未満であれば、上昇トレンドへの移行とはみなすことができません。

その場合は、一時的な乖離であるとみなします。

また、25日移動平均線の状態もチェックしましょう。

もしも25日移動平均線が上向きになっているようなら、上昇トレンドに入ったと考えられます。

その上で、株価がどの程度乖離しているのか確認するのです。

25日移動平均線に対する株価の乖離率は、

(株価-移動平均線)÷移動平均線×100

で算出することができます。

例えば株価が600円で25日移動平均線が500円だとすると、

(600-500)÷500×100=20%

となります。

これが東証一部上場の大型株の場合は、15%くらいの乖離で上昇トレンドに入ったと判断して良いでしょう。

さすがに30%も上昇すると、そろそろ下降トレンドに移行しそうだと考えられます。

東証一部上場の中型株については、値動きが軽い分、20~25%で上昇トレンド突入と考えられます。

50%も上昇したら、さすがにトレンド転換すると判断して良いでしょう。

これが新興市場になると、さらに値動きが軽く、個人投資家が取引の主となるため、基準が難しくなります。

というのも、個人投資家が売買の中心となる銘柄は、投機的な動きをするケースが多いからです。

一方、東証一部上場の大型株は、機関投資家が取引の中心です。

そのため、投機的な動きをすることはなく、材料が出ることで動きます。

このような理由から、新興市場の銘柄の乖離率の平均は測りにくいのです。

そのため、新興市場の銘柄に関しては、過去の値動きから乖離率を判断しましょう。

ここまで、テクニカル分析で株を買うタイミングを見極める方法を説明しました。

次に、ファンダメンタルズ分析で見極める方法を説明します。

ファンダメンタルズ分析で見極める

株を買うタイミングを見極める方法には、テクニカル分析の他にファンダメンタルズ分析があります。

ファンダメンタルズ分析とは、企業の業績、もしくは財務状況からその価値を見極める方法のことです。

これを利用することで、中長期的な株価の動きについて見極めることができます。

そのためには、様々な情報ツールを活用していきましょう。

ファンダメンタルズ分析で見極める方法として主なものは、

  • 月次売上の推移をチェックする
  • 四半期決算の内容をチェックする
  • 競合他社と比較する
  • 投資指標をチェックする

の4つです。

それぞれについて説明します。

月次売上の推移をチェックする

まずは、月次売上の推移をチェックしましょう。

月次売上については、公開している会社とそうでない会社があります。

公開している会社の多くが、小売業や飲食業です。

小売業の代表的なものは、百貨店やスーパーマーケット、ドラッグストアなどが該当します。

また、飲食業はレストランなどをチェーン展開している会社です。

これらの会社は月次売上を公開しているため、会社計画に対する進捗を判断しやすいのがメリットです。

また、昨年に比べて売上や客数はどうか、ということが比較しやすいのもメリットと言えるでしょう。

月次売上が徐々に増えている場合は、業績も好調ということです。

ただし、これは季節によって異なるので、経過だけではなく昨年の売上との対比なども行いましょう。

また、台風などの災害があると、売上や客数が減ります。

さらに、長雨や冷夏、暖冬といった天候要因も売上を左右します。

それに加え、昨年よりも土曜日が1日多い・少ないなどの要因も影響するのです。

このような状況を鑑みて、順調かどうかを判断しましょう。

その上で売上が増加基調なのであれば、業績アップにつながるといえます。

会社計画を上回る進捗になりそうだと判断できれば、早めに買っておけば株価の上昇が期待できます。

四半期決算の内容をチェックする

四半期決算は、3カ月ごとに企業から出される事業報告です。

この中で、特に注目するべき点が売上高と営業利益、利益率の項目です。

これをチェックする場合は、前の四半期との比較の他に、昨年の同時期との比較も行いましょう。

そうすることで、成長しているように見えて実は成長が鈍化している項目などが分かります。

また、第1四半期は良いのですが、第2四半期以降は注意が必要です。

というのも、累計の数字が記載されるからです。

つまり、第2四半期の場合は、第1四半期の数字を含んでいることになります。

そのため、累計の比較だけでなく、例えば第2四半期ならその単独についての比較も必要です。

少々面倒ですが、前の四半期の数字を今回の四半期の数字から引いて数字を出しましょう。

四半期決算でチェックしたいのが、通期および半期の進捗状況です。

上場企業は、必ず会社計画を四半期決算で提示します。

会社計画には大抵の場合2種類あり、通期と半期のものが掲載されています。

ただし、半期のものについては、掲載しない企業もあるので注意が必要です。

その場合は、おおよその数字を自分で出す必要があります。

単純に通期会社計画を半分に割って計算しても良いでしょう。

ただし、会社によっては、特定の四半期に売上が集中する会社もあります。

会社の四半期ごとの大体の傾向を掴むため、その会社の過去の四半期決算の状況をチェックしましょう。

少々手間がかかりますが、筆者はエクセルにデータを入力して比較します。

また、会社予想の傾向にも注目しましょう。

大抵の会社が保守的な予想をするのですが、中には、毎度のように強気予想をする会社もあります。

そのような企業ごとの会社予想の傾向も把握するとなお良いでしょう。

進捗状況については、会社計画と比べてどうかということをチェックします。

例えば第1四半期時点で、半期会社計画の70%もの進捗になっていたとします。

第2四半期以降も順調に業績が推移すると考えられる場合、この会社は会社計画を上回るでしょう。

このような会社の株は買いです。

予想以上に順調に推移すれば、会社も上方修正をする可能性があります。

その上で、本決算では上方修正以上の結果となる可能性もあります。

また、粗利率や営業利益率についても確認しましょう。

進捗は予想どおりであったとしても、粗利率や営業利益率が改善されることはポジティブなことです。

本決算時に、予想以上の営業利益になるかもしれません。

競合他社と比較する

企業の業績をチェックする際は、競合他社とも比較しましょう。

競合他社というと、それぞれ売上を奪い合っているように感じるでしょう。

しかし、時には2社とも業績が上がっていることもあります。

競合他社というのは、すなわち同業者です。

限られた市場を奪い合う時はどちらかの業績が上がると一報は下がることになります。

しかし、市場そのものが拡大した時には、両方の業績が上がることになるのです。

この時、競合他社と比較して上がり幅が小さい場は、市場が元に戻った時にどうなるでしょうか?

もしかしたら、これまで以上に業績が悪化するかもしれません。

また、上がり幅が大きければその後は業績がさらに良くなっていくかもしれないのです。

業績が上がった原因が、競争に勝ったのか市場が拡大したのかを知る為にも有効です。

また、同業他社と比べたその会社の強みは何か、ということも知っておきましょう。

例えば、同じものを作っていても、外注の割合が多いのか、内製化しているのかで利益率は変わります。

主力商品が同じであっても、為替や商品価格の影響を受ける製品を他に作っている場合はどうでしょうか?

その場合、例えば円高時は、為替変動の影響を受ける商品を他に作っていない会社の方が、業績が安定します。

つまり、同じ業種で同じような業況であっても、株価パフォーマンスに差が出ると考えられるのです。

この例の場合、後者の銘柄の方が買いということになります。

投資指標をチェックする

ファンダメンタルズ分析では、様々な指標を使います。

PERやPBR、ROE、ROAなど色々なものがあり、これらは財務諸表から知ることができます。

これらの投資指標をチェックすることで、現在の株が割安かどうかを知ることができます。

ただし、これらをチェックする際は、その銘柄だけでは足りません。

必ず、市場全体や同業他社の指標も合わせてチェックしましょう。

また、PERやPBRを比較する際は、その時の景気の状況を考えましょう。

例えば、PERは景気の拡大が続く時に有効な指標です。

また、PBRは景気が底から回復する時に有効です。

さらに、現在注目されているROEは、景気拡大の最後に有効な指標と言えます。

様々な投資指標がありますが、どんな時にも有効かというとそうではないのです。

現在の景気がどんな状態にあるか確認した上で、どの投資指標に注目するか考えましょう。

「今は景気の拡大時だ」と考えるのであれば、低PER株を買います。

また、「景気が後退し始めた」と考えるなら、配当利回りに注目するのも一つの方法です。

投資指標は株式投資で必ずチェックしたい項目の一つです。

ですが、どんな時に使うべきかを知らずに使うと、まったく意味のないものになってしまいます。

それぞれの投資指標をどのようなタイミングで使うべきか考えた上で使用しましょう。

まとめ

株を買うためには、様々な準備が必要になります。

まずはどこで買うことができるのか、どうやって買うのかといったことを知っておきましょう。

そうしたら、実際に買うための準備をすることができます。

実際に株を購入する際も、適当に株を買っていれば勝てるわけではありません。

どの株を買えば勝つことができるのか、どうやって選べばいいのかということも知っておきましょう。

株を買う目的は、利益を得ることです。

しっかりと利益を得られるように、しっかりと銘柄を選びましょう。

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