IPO投資

IPOのメリットは高確率でかんたんに利益を出せる点。プロが手順を完全解説

IPOがおすすめと聞きますが

「IPOのメリットはなに?」

「本当にIPOでかんたんに儲けられるの?デメリットはないの?」

「どうやってIPO投資をすればいいの?」

と気になるのではないでしょうか。

筆者はファンド業務を10年以上行っており日々、億単位の株の売買を年間で行ってきました。

筆者からみたIPOのメリットは高確率で利益をかんたんに出せる点だと考えています。

もちろんデメリットもあります。

最大の問題はIPO投資には抽選があり当選確率が低い点です。

この記事ではメリットやデメリットを初心者にもわかりやすく解説していきます。

「失敗したくない」「かんたんに利益をだしたい」

と考えている方は後悔しないためにも必ず一読してください。

投資で成功するためには正しい情報・手順が必要です。

それでは早速、IPOのメリットについて説明したいと思います。

IPOのメリットとは?人気殺到のIPOのメリットをわかりやすく解説

IPO投資には、

  • 高確率で利益を出せる可能性が高い
  • 通常の株式投資より銘柄分析が楽
  • 初値売りがシンプルで初心者に取り組みやすい
  • 上場後、長期的に値上がりしていく銘柄もある

という4つのメリットがあります。

それぞれについて、詳しく説明します。

メリット1:約90%の高確率で利益を出せる可能性が高い

IPOのメリットと言えば、まずは何といっても「利益を出せる可能性が高い」という点です。

どういうことかというと、公募価格よりも高い初値が付けられる、ということです。

IPOに当選すると、IPO株を上場前に公募価格で購入することができます。

上場日当日に初値で売却する「初値売り」を行うのですが、公募価格を初値が上回れば利益が得られるのです。

IPOは、初値売りでの利益獲得の可能性が高いという特徴があります。

実際に、2019年に開催されたIPOの結果を見てみましょう。

2019年のIPO件数は、2018年よりも4社少ない86社でした。

そのうち85社は無事に上場し、初値が付きました。

その85社の公募価格と初値を比較すると、75社(87.2%)で初値が公募価格を上回る、という結果になっています。

つまり、初値売りをした場合、90%近い勝率になったということです。

残り10社のうち9社は初値が公募価格を下回ってしまいました。

1社は公募価格と初値が同じ程度と、引き分けに終わっています。

なお、2018年のIPOでは、95社中80件が公募価格を上回る初値となったので、勝率は約84%でした。

株式投資とは、単純に言うと、株価が上がるか下がるかを予想して株を売買することです。

つまり、勝つか負けるかは半々ということになります。

でも、現実には、株式投資の勝率が5割も満たない人は少なくありません。

何も考えずに投資した場合は50%前後の勝率となるはずです。

しかし、自分なりに様々な事を考えて投資した結果、50%を下回ってしまうのだと考えられます。

そう考えた場合、90%近く勝つことができるIPO投資には、大きなメリットがあるといえるでしょう。

メリット2:通常の株式投資より銘柄分析が楽

IPOは勝率が高いと言っても、100%という訳ではありません。

そのため、事前に公募価格を初値が上回るかどうかをチェックしましょう。

その判断をするためのポイントとなるのは、以下の7点です。

  1. 公募株が売出株より多い。あるいは、公募株のみ
  2. 吸収金額が上場市場のサイズを超過していない
  3. 再上場ではない
  4. 業績が増収増益基調になっている
  5. 人気のある業界、テーマである
  6. 公募価格が仮条件の上限
  7. ベンチャーキャピタルが大株主にいない

この7点を満たしている銘柄は、初値が公募価格より高くなる可能性が高いのです。

ちなみに、判断のポイントに関する詳しい内容は「【成行注文が基本】IPO投資の初値売りで失敗しないための具体的な手順」と「【ポイントは8つ】IPO銘柄で儲けるための選び方・注意点とは?プロがやさしく解説」で説明しています。

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IPOはこの7点をチェックするだけでいいのですが、通常の株式投資であればそうはいきません

その会社の業績や財務諸表などを、何年もさかのぼってチェックすることになります。

考えるだけでも、時間や手間がかかりそうですよね。

また、過去何期にも渡って業績をチェックし、「この会社は良い会社だ」と判断したとします。

だからといって、その会社の株価が上がるかというと、決してそうではありません。むしろ下がることもあります。

通常の株式投資は、売買の判断材料が複雑なのです。

売買の判断材料のコツをつかむには、勉強とある程度の経験が必要になります。

さらに、機関投資家と比べて個人投資家は、得られる情報に限りがあります。

機関投資家は、企業に直接ヒアリングして情報を得ることができます。

しかし、個人投資家は決算のように会社が発表する情報や、新聞などが情報源になるのです。

そのうえ、得た情報から判断するための知識も必要になります。

初心者には、かなりハードルが高いでしょう。

このように、通常の株式投資は、株価が上昇あるいは下落するための判断が非常に難しいのです。

初心者にとっては、何を見るべきか、どう判断するべきかが分からなくなることも多いでしょう。

それができるようになるまでの間は、損失を出し続けてしまうかもしれないのです。

そのため、資金が底をついて撤退する、という残念な結果になることも珍しくはありません。

だからこそ、株式投資は難しいと思われているのです。

それに引きかえ、IPOは初値が公募価格を上回る条件が明確です。

チェックするべきなのは7点だけなので、初心者でも分かりやすいでしょう。

メリット3:初値売りがシンプルで初心者に取り組みやすい

売り時が難しい通常の株式投資とは違って、IPOの場合は売り時も非常にシンプルです。

IPO投資では、初値売りをすればいいのです。

初値売りというのは、上場して初めて付けられた株価、つまり初値で売却することです。

その際は、成行注文で売却しましょう。

成行注文について詳しくはこちら「【成行注文が基本】IPO投資の初値売りで失敗しないための具体的な手順」で解説しています。

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【成行注文が基本】IPO投資の初値売りで失敗しないための具体的な手順

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あらかじめ注文を出しておけばいいので簡単です。

確実に上場日で初値が付いたときに売ることができるでしょう。

ただし、人気が非常に高いIPO株の場合は、上場日に初値が付かないことがあります。

その場合は、翌日、さらに次の日へと持ち越されることになるのです。

その場合、事前に出した注文が失効することになるので、再度注文し直さなければいけません。

問題と言えば、そのくらいです。

難しい手法やテクニカル分析、ファンダメンタルズ分析も必要ありません

とても簡単なため、初心者でもすぐにできるのも、初値売りの魅力です。

メリット4:上場後、長期的に値上がりしていく銘柄もある

IPO株の公募価格は、本来の価格よりもディスカウントされています。

そのため、上場後に本来の株価まで上昇するケースもあります。

それを見越して、初値売りをせずに中長期で保有している人もいるのです。

公募価格は、本来の価格よりも10~30%ほど割り引かれているのが一般的です。

通常の株式投資で、1日に10%から30%の値上がりというのは頻繁に起こりません。

しかし、IPO銘柄の場合、初値の時点で公募価格の2倍以上になることも珍しくはありません

あっという間に、それだけの値上がりを狙うことができる、というのも魅力です。

また、最初はそれほど株価が上振れしなかった場合も、後になって上昇することがあります。

会社の業績が順調に伸びれば、10倍、20倍に株価が上がっていく事もあるのです。

これも、IPOの大きな魅力といえるでしょう。

中長期でIPO株を保有する際も、判断材料があります。

おすすめするのは、初値が公募価格をあまり上回ることがなかった銘柄です。

ただし、その前提として「会社の内容が悪くない」と判断したものに限ります。

中長期で保有するのは、その銘柄に対する評価が徐々に高まることを期待するケースです。

先回りして投資しておいて、評価が高まるのを待ちます。

評価が高まっていけば、株価も少しずつ値上がりしていくでしょう。

ここまで、IPO投資のメリットについて説明しました。

ですが、ここまで説明したメリットは、主に投資家側のメリットです。

実は、IPOは新規上場する企業側にとってもメリットがあります。

次に、このことについて説明します。

【コラム】IPOの企業側のメリットとは

IPOは、新規上場する企業にとってもメリットがあります。

企業はIPOを行うことによって、株式市場に上場することになります。

上場するためには、市場ごとに条件が決まっています。

それを満たさなければ、上場はできません。

そのため、上場している企業は、350万社以上ある企業の中でも、4,000社を超える程度だけです。

つまり、全体の約0.1%程度しかありません。

その分、上場できるということは社会的信用度の向上につながり、人材の確保もしやすくなります。

そして、それ以上に重要なのが、事業資金の調達です。

IPOで株式市場に上場することで、企業は事業資金を調達しやすくなります

これこそが、企業側にとってのIPOの最大のメリットなのです。

株式市場に上場するということは、会社の株式を大々的に流通させるということです。

会社が保有する株を売却することで、株式市場を通じて事業資金を得られるようになります。

また、上場によりネームバリューと信頼度が上がることから、銀行の融資も受けやすくなります。

さらに、取引先の拡大という面でも、上場には効果があるのです。

上場の審査基準は、厳格に定められています。

その基準をクリアするには、経営体制や社内統制の見直しも必要になるでしょう。

それによって、企業としての体制を整備することにつながります。

このように、IPOには企業側にもメリットがあるのです。

さて、ここまでIPOのメリットについて説明しました。

次に、IPOのデメリットを説明します。

IPOの最大のデメリットは当選しづらい点

IPOにはメリットだけでなく、デメリットもあります。

中でも最大のデメリットは「当選しづらい」ということです。

IPOにはこの他にも、

  • 当選しないと買うことができない
  • レバレッジがかけられないので、資金効率が良くない
  • 目論見書を読むのが大変

というデメリットがあります。

それぞれについて説明します。

デメリット1:当選しないと買うことができない

IPO株は、そもそも当選しなければ買うことができません。

当選確率はごくわずかなので、事前によく調べて銘柄を絞り込んでも、落選して無駄になることがあります。

買いたいからといって、確実に買うことができないのがIPOの最大のデメリットと言えるでしょう。

デメリット2:レバレッジがかけられないので、資金効率が良くない

株式投資には現物取引と信用取引があるのですが、IPOは必ず現物取引になります。

つまり、レバレッジをかけることができない、ということです。

なお、レバレッジとは、資金の何倍もの金額の取引ができる仕組みのことを言います。

株だと、信用取引の場合にレバレッジをかけることが可能ですが、IPOはそれができません

そのため、例えば、公募価格が1,000円のIPO株を100株買うには、10万円が必要になります。

仮にこのIPO株の初値が2倍の2,000円になったとしたら、10万円の利益を得られます。

つまり、得られた利益と合わせて、元手の2倍になったということです。

それなら悪くはない投資だったと言えるのですが、もし初値が1,300円くらいだったらどうでしょうか?その場合は、3万円の利益しか得られません。

IPOに当選する可能性や事前準備の手間などを考えると、物足りなく感じる人もいると思います。

IPOは現物取引しかできないので、利益を増やすには取引数量を増やす必要があります。

そのためには、より多くの資金を用意しなくてはいけません。

これが信用取引であれば、レバレッジがかけられるので、資金は3分の1程度で済みます。

そう考えると、IPOは資金効率が悪いのです。

このことも、IPOのデメリットといえます。

デメリット3:目論見書を読むのが大変

IPO投資では、必要な情報を得るために目論見書を見なければいけません。

しかし、情報量が多いので、どれが必要な情報か分からない、という方も多いでしょう。

目論見書には、企業の事業内容や業績、財務状況、株主構成などが記載されています。

また、IPOで集めた資金を何に使うか、ということも書かれています。

細かく記載されているので、ページ数が非常に多く、読むのが大変なのがデメリットといえるでしょう。

実は、慣れてくれば読むべきポイントが分かってくるので、それほど大変という訳でもありません

しかし、慣れるまではどうしても苦労するので、やはりデメリットといってもいいでしょう。

このように、IPOにはデメリットもあります。

「デメリットがあるなら投資したくない」と思う人もいるかもしれません。

ですが、メリットがあればデメリットもあるのは当然です。

そのデメリットが、許容できるものかどうかが重要なのです。

IPO投資をする前に、そのデメリットについても覚えておきましょう。

次ではIPOのデメリットでも特に大きい当選確率を上げる方法についてアドバイスします。

IPOの当選確率を上げる方法は7個

IPOに参加する場合、当選確率を上げたいと思うのは当然です。

当選するかどうかは運次第ですが、当選確率を上げることはできるのです。

特に、少ない資金で当選確率を上げたい場合は、

  • 主幹事証券会社と複数の幹事証券会社に申し込む
  • 資金を考慮して証券会社を選ぶ
  • 口座開設数の少ない証券会社から申し込む
  • 委託幹事、大手証券会社のグループ証券会社から申し込む
  • 資金ナシでも申し込める証券会社を優先的に選ぶ
  • 後期型の証券会社を利用し、IPOの抽選スケジュールの違いを活用する
  • 家族がいるなら、家族全員で申し込む

という7つのコツに注目しましょう。

それぞれのコツについての詳細は「【経験則】IPOの当選確率1%~2%程度。抽選なくIPO投資する方法とは」をご覧ください。

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【経験則】IPOの当選確率1%~2%程度。抽選なくIPO投資する方法とは

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ここまで、IPOのメリットとデメリットについて説明しました。

IPOは抽選ありきですが、実は、抽選をせずともIPO株を取引することはできるのです。

最後にこのことを説明します。

抽選なくIPO銘柄を投資するセカンダリー投資が現実的でおすすめ

IPOに当選して、上場日に初値で売る初値売りのことを、プライマリー投資といいます。

それに対し、セカンダリー投資という方法もあります。

IPO投資を行う際は、セカンダリー投資についても覚えておくことをおすすめします。

なぜなら、抽選が必要ないからです。

そのため、IPOの抽選に落選しても、セカンダリー投資を行うことが可能なのです。

セカンダリー投資では、上場してからIPO株を買います

そして、その後の値上がり益を狙うという投資方法のことをいいます。

この方法には、

  • 抽選がないので、誰でも取引が可能
  • 上場した後の値上がり益を狙える
  • 株価が何倍にもなる「お宝株」になることもある
  • 信用取引ができるので、資金を抑えた取引ができる

という4つの特徴があります。

セカンダリー投資についての詳細は、こちらの記事「抽選なしでIPO投資できるセカンダリー投資とは?特徴や具体的な手順の全て」をご覧ください。

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抽選なしでIPO投資できるセカンダリー投資とは?特徴や具体的な手順の全て

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まとめ

投資家から人気があるIPOには、多くのメリットがあります。

その中でも勝率の高さは、この投資法が初心者におすすめできる最大の理由になっています。

とはいえ、すべてのIPOで勝てるという訳ではありません。

勝てるIPOを見極めるためには、あらかじめいくつかの点をチェックしておきましょう。

一方で、IPOにはデメリットもあります。

中でもIPO投資のハードルを上げている抽選は、多くの投資家を悩ませる原因になっています。

IPO投資に何度チャレンジしても当選できない人もいるでしょう。

その場合には、セカンダリー投資がおすすめです。

このように、IPOには様々なメリットとデメリットがあります。

今回説明したメリット・デメリットをしっかり把握したうえで、IPOにチャレンジしましょう。

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